2019/01/19

濃いのが人気

なんでも「若者のビール離れ」でビールの売り上げが落ちているんだそうで。
っていうか、それは単純に人口減少とかが影響しているのでは?
そもそも若者が少なくなっているから、若者が消費するビールの量も減るよね。
でも、おそらく、それに加えて、選択肢が広がったことも大きいと思うのだ。
むかしはそれこそビールだけ飲むことが多かったように思うけど、最近では、ノンアルコール系飲料もあるし、ハイボールを含むウイスキー、各種サワー、ワイン、日本酒、焼酎、・・・とそれぞれの好みに合わせて好きなものを飲むようになったよね。
とりあえずビールで乾杯、とか、生中じゃない人?、なんてのはもう時代遅れなのかも。

そんな中、売れ行きが好調で、社会的問題にもなりつつあるお酒が。
それは、高アルコール度数の缶チューハイ。
ストロングゼロとかそういうのだよ。
これらはアルコール度数が9%。
日本のビールは5%、ワインが10~15%、日本酒が15%くらい。
ワインよりちょっと低いだけなんだね・・・。
それで一缶500mlあって、2~3本飲むとかいうんだから、ワインのボトルを1~2本飲んでいるのと同じなのだ!

でも、値段は全然安いよね。
しかも、果汁の風味などで飲みやすい。
というわけで、アルコールを飲み過ぎるおそれがある、ひいては、依存症につながりかねない、と問題視され始めたのだ。
元アイドルが飲酒運転事故を起こした際に飲んでいたのもこれだよね・・・。
時代の要請には応えているのかもしれないけど、危険なものではありそうなのだ。

もともとチューハイは、焼酎ハーボールの略と言われているよ。
ウイスキーに炭酸水を加えてハイボールにするように、アルコール度数の高い焼酎を炭酸水で割ったものということ。
戦前からシロップを加えて飲みやすくするというのはあったそうなんだけど、ハイボールをまねてそこに炭酸水を入れて飲むようになったんだよね。
どうも、昭和30年代の東京のドヤ街の山谷地区(あしたのジョーの舞台でもおなじみ、南千住と浅草の間だよ。)で生まれたようなのだ。
それが居酒屋チェー点のメニューになってから全国的に広がり、その人気から缶飲料として缶チューハイが発売されるようになったのだ。

チューハイは、明確な定義はないんだけど、焼酎やウォッカなどの蒸留酒をベースとしていて、アルコール度数が比較的低い(10度未満)なものを指すと言われているよ。
この「10度未満」というのがミソで、酒税法上、10度を越えると酒税が高くなるので、ここで「打ち止め」にしているのだ。
9%のストロングゼロは、今のアルコール飲料の分類の中で最大限アルコール量を増やしたもの、ということになるよ。
その前は「ほろ酔い」とかの1%程度の低いアルコール度数のものがはやったこともあったけど、今はノンアルコールから9%までレンジが広くなっているのだ。
ちなみに、エグザイルの公式飲料としても有名なレモンサワーなどの「サワー」は、実はチューハイと明確な線引きはなくて、ほぼ同一のものと考えられているよ。

この高アルコール度数の缶チューハイが売れているということは、アルコール飲料の消費が減っているというわけではないのだ。
外の居酒屋でビールの後焼酎を飲むというスタイルから、安価に飲むために、家で高アルコール度数の缶チューハイを飲むようなものに変わってきているんだよね。
これってやっぱり若い瀬田の経済的余裕がなくなってきていることが大きいのかなぁ。
「車離れ」なんかもそうだよね。
平均的な若者はもはや都市部で自動車を維持できるような生活は難しいから。
そうなると、この手の商品が悪いと言って規制するのではなく、もっと根本的な社会問題としてとらえる必要がありそうだね。

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