2019/07/20

しめりけでむしむし

日本に帰ってきて一番びっくりしたのは、蒸し暑さ。
気温だけで見るとパリとほとんど変わらないのに!
でも、東京ははるかに暑い・・・。
というか、空気に重みや粘りけを感じる。
これは湿度の違いなんだよね。

欧州は夏の気温が上がっても、日差しが強くても、湿度は低め。
からっとしているので、汗をかくことでかなり体は冷却されるようなのだ。
ところが、日本は高湿度。
汗をかいても流れるだけであまり蒸発せず、そのため、気化熱を奪われることもなく。
結果として、汗をかく不快感だけが残って、あまり涼しくないのだ。

だからこそ東京では冷房が普及していて、パリでは普及していないんだよね。
ところが、この日本型暑さはまだ問題があるのだ!
それは、外で大量に汗をかいた後に冷房のきいたところに入ると一気に冷えるのだ。
冷房は原理的に湿度下げることになるので、気化熱が奪われて冷却される分さらに冷えるのだ。
一気に汗は引くけど、今度は寒いくらいに感じするのだ。
これが「体感温度」なんだなぁと実感するよ。

日本の天気予報では「不快指数」というのが出てくるけど、これはそんな温度と湿度の関係を数値化したものなのだ。
気温が低くても湿度が高いと「蒸す」と感じるし。
気温が高くても湿度が低めなら、からっとした暑さでそこまで不快ではないのだ。

最初に提唱したのは米国の人みたいだけど、日本で使われているものは次の式から算出される数字だよ。
0.4 × (乾球華氏温度 + 湿球華氏温度) + 15
乾球温度は普通の温度計のさす温度のこと。
一方、湿球温度は、百葉箱の中などで見られる、濡れたガーゼでくるまれた温度計のさす温度のこと。
濡れたガーゼで包むことで温度計表面で水分が蒸発し、気化熱で奪われる熱量が反映されるのだ。

湿度が高いときは気化熱が奪われないので乾球温度とほぼ同じ数字をさすよ。
湿度が低いと気化熱で熱が奪われるので乾球温度より低い数字をさすのだ。
 つまり、湿度が高い時の方がこの不快指数の数値が上がるし、当然、もとの温度が高いとやはり高くなるのだ。
 これってけっこうわかりやすい指標だよね。

フランスの天気予報では聞いたことはなかったけど、気温が高くなっても不快指数はそんなに高くならないんだろうなぁ。
 実際にそこまで不快ではなく、直射日光させしのげればなんとかなることが多かったからね。
日陰に入っても熱気でムンとしている日本とは大違い!

0 件のコメント: