2019/07/06

西へ東へ

東欧某国に出張に来たのだ。
フランスから帰国する前の最後の出張だ。
本当は帰国準備があるから避けたかったんだけど(笑)
ま、仕方がないね、ということで、せめてそこでしか食べられないものを食べようと思ったんだけど・・・。
東欧って、だいたいトルコ料理に近いものなんだね・・・。
ギリシア・トルコでよく見るような、ケバブ(ヒツジなどの挽肉を香辛料とともに串に巻き付けて焼いたもの)やフムス(ひよこ豆のペースト)、そして、ダンプリング。

ダンプリングというのは日本や中国で言えば餃子。
小麦粉を練って作った皮で包んだものの総称だよ。
饅頭も入るし、チベットやネパールのモモ、イタリアのラビオリなんかもこれの仲間。
水餃子のような料理が東アジアから中央アジアを通って欧州まで広がっているんだよね。
まさに「シルクロード」とともに分布しているのだ!

コムギはオオムギに比べて少し食べづらくて、実が硬いので粉に引く必要がるんだよね。
そういう食べ方を発見して主要作物にしたのはメソポタミア。
これがパンやパスタを含む麺類に発展していくんだけど、そういう「アドバンスド」な食べ方を最初からしているわけじゃなくて、これらは工夫に工夫を重ねた末の結果なんだよね。
当然、最初はコムギをひいたものを水で練って生地を作り、それを焼く、ゆでるなどの簡便な料理法なのだ。
おそらく、メソポタミアで食べ始めて、それが西へ東へ伝播していったんだよね。
さらに、シルクロードをはじめとする交易路を通じて食文化の交流も起こって、似たような料理がいろんな地域に広がったのだ。

焼くものとして代表的なのは、今でも中東でよく食べられる「平パン」。
総称は「ホブズ」と言うみたい。
ケバブサンドに使う、いわゆる「ピタ」もそうだけど、これは発酵させてから焼いたもの。
インドにある、務発酵で焼いた平パンがチャパティ。
こっちは薄めにフライパンで焼くのだ。
発酵させてから焼くナンと違ってふっくらとはしていなくて、もっさりした食感なのだ。
で、正直、このままだとそんなにおいしくないので、発酵させることでふっくらとさせるようになったんだよね。
中国では、焼くのではなくて発酵させた生地を蒸すんだよね。
それが「饅頭(マントウ)」で、日本に伝わって「まんじゅう」になるのだ。

で、もう一つの食べ方はゆでるというもの。
単純には、生地をちぎったものをそのままゆでるんだよね。
日本のすいとんやだご汁みたいなもの。
で、もう少し工夫したのが、平たくしてから中に「餡」を入れて包むもの。
これがダンプリングなのだ。
肉や野菜だけでなく、果物や砂糖を包むようなものまで、世界中にものすごくバラエティのある料理だよ。

コムギがオオムギより優れているのは、グルテンを含んでいるので、生地を練ると「コシ」がでること。
オオムギはグルテンがないから、生地を練って焼いたりゆでたりしてもぼそぼそ、もっさりなのだ。
コムギの場合はもっちりするんだよね。
特に、ゆでた場合はつる、ぷり、といった食感が楽しめるのだ。
酵母を加えて発酵させたり、その代わりに膨張剤を入れて膨らませたりするとふっくらとした食感が出せてさらにおいしいのだけど、こっちはゆでるだけだから、水がある地域ならすぐに採用される食べ方なんだよね。
中国では、こっちもさらに蒸すことで蒸し餃子や焼売が出てくるのだ。

はっきり言って、これは中身の餡にさせ気をつけておけば、はずれはないんだよね。
食感も味も想像しやすいのだ。
なので、ボクはこの手の料理があるところではたいてい試してみるんだよね。
取り立てておいしい♪、ということはまずないけど、それなりにおいしいのだ(笑)

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