2020/01/11

ゆたかな酸味

東南アジアに出張で行ってきたのだ。
北京は行ったことがあったのだけど、あたたかい方のアジアははじめて!
自分ではなかなか旅行先に選ばないので、ある意味新鮮かな。
はっきり言って観光はできないけど、なかなかよい経験だよ。
現地の料理が味わえるからね。

東南アジアの料理というと、辛いものをイメージするけど、必ずしもそれだけではないのだ。
っていうか、けっこう甘酸っぱいものが多いんだよね。
どうも暑い地方だと、甘み勝手、酸味がきいたものがさっぱりしていて合うみたい。
その味付けによく使われているのが、タマリンドなのだ。
インドのチャツネに使われたり、タイ料理屋フィリピン料理の甘酸っぱい料理なんかに使われているよ。

甘みと酸味の両方があるので、ボクはてっきり柑橘系と思い込んでいたんだけど、実はアフリカ原産のマメ科の植物。
今では東南アジア・南アジア、南米などの亜熱帯・熱帯地方で好まれて栽培されているみたい。
フジと似たような大きなさやの中に身が入っていて、その中にある黒い果肉を持つ実がタマリンドだよ。
ドライフルーツにもなるみたいだけど、多くの場合、果肉の部分だけを集めてブロック状にするのだ。
そのまま削って使ったり、水でふやかしてペースト状にして使ったり。

酸味のもとは、酒石酸とクエン酸。
クエン酸は多くの酸っぱい果物に含まれているものだよね。
いわゆるレモンの酸味。
酒石酸はワインに多く含まれるもので、ワイン樽の底に白く沈殿したものがあって、そこからカリウム塩(酒石酸カリウム)が発見されたので命名されたものだよ。
ワインの酸味成分の一つで、やや渋みがあるのが特徴。
どうもこれのおかげで酸味に深みがでるようだね。

東南アジアや南米では、フレーバーとしても人気のようで、清涼飲料水になったり、ガムやキャンディのフレーバーにもなっているんだって。
日本のユズも少し苦みのあるほのかな酸味と甘みだけど、そういう深みのある甘み・酸味がよいのかもね。
ま、日本のユズの場合はそこまで酸味が強くないのだけど、タマリンドはかなりすっぱいのだ。
やっぱり暑い地方だとそれくらいパンチが効いていないとね、ということなんだと思うけど。

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