2020/07/18

有料になりますが、よろしいですか?

いよいよレジ袋の有料化が始まったのだ。
っていうか、すでにスーパーでレジ袋は有料だったり、レジ袋不要の場合はポイント上乗せだったりと、任意の取組は行われていたんだよね。
でも、今回は法律上の制度というところが大きく異なるのだ。
もともとは、海洋のプラスチック問題が世界的な問題になっている中、オリパラに向けて環境対策をしっかりしてます、と政府としてアピールするため、と言われているよね。
で、レジ袋は実は氷山の一角どころか、小手先注の小手先のことなので、政府が旗を振ってやるような話か、という批判も出ているのだ。
欧米ではコロナの影響で感染を広めかねないエコバッグを使わせないよう、レジ袋が暫定的に無料化されているみたいだし。
どこまでこれが環境問題に貢献するのかはなんとも言えないけど、ひとつの「姿勢の問題」ではあると思うのだ。

で、今回ネット上で大きく批判されている大きな要因は、コンビニの対応だと思うんだよね。
スーパーなんかではもともと有料化されているところが多かったわけで、コンビニでもっとも大きな影響が出るのだ。
さらに、実は有料化対象のレジ袋という概念があって、一定の基準を満たすものは引き続き無料にしてもよいのだ。
ファストフード系はそれを利用して無料を継続しているから、それもあってコンビニに批判が集まるんだよね。
しかも、大手コンビニはみんな実はその無料基準を満たす袋に切り替えているらしいし・・・。
やっぱり弁当やホットスナックなんかを買うコンビニだと、エコバッグを使うのには抵抗が出るんだろうね。

で、その無料にしていい基準だけど、ひとつは、厚手のもので繰り返し使えるものであること、というもの。
つまり、実質上のエコバッグみたいなものというわけだよね。
それから、海洋生分解性プラスチック100%のもの。
海のプラスチックがもんだいになっていたわけで、これもさもありなん。
最後は、バイオマス素材の配合率が25%以上のもの。
基本的に無料でやっているところはこのタイプの袋を使って居るみたいだよ。
コンビニは有料だけど、このタイプのようなのだ。


まず、生分解性プラスチックだけど、これはわりと歴史のあるもので、大きく注目されたのは、長野の冬季五輪のとき。
会場で提供される飲食物に使う食器に生分解性プラスチックであるポリ乳酸が使われていたのだ。
生ゴミと一緒に捨てるとバクテリアが分解してくれるんだよね。
一方で、このポリ乳酸のような伝統的な生分解性プラスチックは海洋では必ずしも分解されないんだって、。
もともとぬれに強い(=撥水性がある)、腐食しづらい、というのがプラスチックの最大の利点なわけで、生分解性歩浦須チックといえども、そのまま放置するだけで分解されるようでは使い物にならないのだ。
なので、生分解性プラスチックと呼ばれるものでも、土壌中に埋める、他の生ゴミと一緒に捨てるなど、もともと分解してくれるバクテリアが繁殖している環境中に置かないと分解されないわけ。
で、海洋というのはその環境ではないんだよね。

そこで、現在は海洋環境中で分解されやすいプラスチックの開発が進められているそうだよ。
実は、漁具(ブイ、漁網など)が海洋プラスチックの大きな割合を占めるようなので、こういうものが時間をかけてゆっくり分解されるような海洋生分解性プラスチックに置き換われば、かなり状況は改善するんだよね。
どのみち耐用年数はあるものなので、コスト的に見合えば使われると思うのだ。
それと、レジ袋以上に問題なのはペットボトルのようなので、代替する容れ物も必要なんだろうなぁ。
ペットボトルは非常に便利なのだけど。

バイオマス素材配合のプラスチックというのは、原材料が違うというだけで、ものとしてはこれまで使われていた一般的なポリエチレンのレジ袋と同じもの。
石油系材料ではなく、カーボン・ニュートラル(=炭酸ガスの増減に影響を与えない)な材料を使うというだけだよ。
なので、無料になっているレジ袋も基本的にはこれまでのレジ袋と何ら変わるものではないのだ。
おそらく製造コストがちょっと高いだけ。
一方で、さっき出てきたポリ乳酸のようなバイオマス由来の生分解性プラスチックを使って、バイオマス材料使用+生分解性ありというレジ袋も作ろうと思えば作れるのだ’(例えば、生ゴミを発酵させると、乳酸ができて、その乳酸を化学的に重合させると生分解性プラスチックのポリ乳酸が作れるのだ。)。
これはかなり高価になるので、なんらかの認証制度と組み合わせて環境意識高い系の人々に積極的に買ってもらうようにするような戦略がないと実用性はなさそうだけど。
ま、民間企業にとってはこれは大きな話なんだろうけど。

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