2020/09/12

医療用もダメ!

 また芸能人が大麻所持で逮捕されたのだ・・・。
今回は結構な量を持っていたみたいだね。
殺伐とした世の中になったからはびこるのか、ネットや通信機器の普及で素人でも手に入りやすくなったから広まるのか。
俗に「たばこより健康への害悪は少ない」だとか「海外では合法」なんて言われるから、軽い気持ちで手を出してしまうのかも、
でも、ルールはルールだから、ダメなものはダメだよね。
まさに「ならぬことはならぬのです」なのだ。

日本においては、大麻は「大麻取締法」により規制されているのだ。
実は、他の麻薬は「麻薬及び向精神薬取締法」で規制されているので、大麻だけ別に規制法が作られているんだよね。
戦前は他の麻薬と一緒に帰省されていたらしいんだけど、戦後、繊維としての「麻」の産業があるとともに、「麻の実」を食品として利用してきた歴史があることなどから、大麻だけ少し規制の枠組みを変えて、別の法律が作られたみたい。

大きな違いはいくつかあるんだけど、まず、大麻は一切の利用が認められていないのだ。
先に言ったように既存産業があるので、「成熟した茎と趣旨及びその製品を除く」とされていて、麻の繊維や種子(七味唐辛子に入っていたり、小鳥のえさに使われたりするよ。)は規制の対象からはずれているんだ。
あくまでもトリップするのに使われるものが規制対象というわけ。
で、特徴的なのは、目的を問わず利用が禁止されているという点。
モルヒネのような麻薬や覚醒剤の一部は、医師の処方があれば特別の場合に医療利用が認められているのだ。
海外では大麻の医療利用を認めている例もあるようなんだけど、日本では認めていないので、一部の人たちが「医療用大麻解禁」と主張しているんだよね・・・。

大麻取締法で認められている大麻の取扱いは、大麻草の栽培と研究利用だけ。
その栽培と研究を合わせて「大麻利用」としているのだ。
これらは都道府県知事からの免許制だよ。
栽培はもちろん、繊維と実をとる目的での栽培のみが認められていて、国内では、トチギシロというトリップ成分の含有量の極めて低い栽培品種が確立されているよ。
研究については、研究利用のための栽培と使用が認められていて、研究で使う場合については、厚生労働大臣の特別の許可があれば輸出又は輸入もできることになっているよ。

完全に野生種の大麻草はすでにないらしいんだけど、大麻草は栽培が比較的簡単で、普通に自生していたりもするのだ。
蛍光灯の光でも栽培できるので、押し入れで隠れて栽培したり、大学の裏でこっそり栽培したり、なんてのが時々摘発されるのだ。
大麻は、「単純所持」で五年以下の懲役になるんだけど、そもそも大麻取扱者は大麻取扱者以外に大麻を譲り渡してはいけないので、誰かが大麻を所持していた場合、
①国内で人からもらったものなら、それを譲り渡した大麻取扱者が違法行為をしている
②海外から持ってきたなら、輸入が禁じられているので持ってきた人が違法行為をしている
③自分で育てたなら、無免許栽培なのでその育てた人が違法行為をしている
といった整理になて、さらに罰を受ける人が出てくるのだ。
いずれにせよ、大麻取扱者でない人が大麻を所持していた段階で、「単純所持」以外のなんらかの違法行為が行われていたことにはなるわけ。
なので、大麻が摘発された場合、その入手ルートが問題となって、さらに逮捕者が出るかどうかが変わってくるのだ。
所持しているのがある程度の確度を持ってわかっていても、容疑者を「泳がす」のはこのためなのだ。

麻薬の場合は医療利用があるため、製造とか販売とかの他の規制が必要になるんだけど、一切の利用が禁じられている大麻については非常にシンプルな規制になっているよ。
万が一医療用大麻が解禁されたとしても、麻薬の方の規制の枠組みに合流すればいいので、おそらくそこまで複雑な枠組みを新しく作ることにはならなさそう。
問題は、大麻は医療用に使う必要性がほぼ認められていないことだね。

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