2020/12/19

羽化登仙

日本でもかなりベジタリアン対応の食品が増えてきているよね。
欧米セレブの間ではやると一足遅れてはやることが多いけど、宗教上の理由も含めてベジタリアン食を求める海外の人は多いので、インバウンド増を狙うというところもあるんだろうな。
本来であればオリンピックもやっていたわけだし。
和食の場合、精進料理があるので、ベジタリアンに優しいと思われがちだけど、一般の和食については、多くの場合、鰹だしが使われるので、アウトなのだ。
なので、かなり本格的な精進料理でないとベジタリアン対応じゃなかったんだよね。
今では、本来的には豚や鶏、魚の出しをスープに使うラーメンまでベジタリアン対応のものがあるから、かなり進んだ感があるよ。
ボク自身は何でも食べる方だけど、食は基本だから、いろんなものを選んで食べられるのはそれはそれでよいことだよね。
他人に思想的背景も含めて押しつけてくる人たちは苦手だけど。

一般にベジタリアンの中でも特に厳格なのがヴィーガンと呼ばれているけど、実は、それをさらに越える存在があるんだよね。
植物にも生命がある!、だからベジタリアンは自己欺瞞、なんて批判をする人もいるけど、これに対応している人がいるのだ。
それが「不食」の人たち。
呼吸を通じて宇宙エネルギー(?)を取り込むなんて語っている(騙っている?)有名人もいて、自分たちを「ブレサリアン」と呼んでいるよ。
あくまでも本人談だけど、一切の飲食物を口にしないで生活しているんだそうな・・・。
これって、中国の仙人が霞を食べて生きている、というのと同じにおいが。

一部の人たちは「ほとんど食べない」というだけで、少量の野菜スープなどを摂取しているんだって。
それならまだわかる。
健康のために一度体をリセットするとか言って「断食合宿」なるものが国内でも開催されているけど、そこでも水は飲むし、具のないうっすい味噌汁は提供されたりするんだよね。
完全に飲まず食わずだと急激に衰弱するから。
事前に十分蓄え(=脂肪)があって、あまり代謝を上げないようにじっとしているのであれば、入ってくる量が少なくてもなんとかなるのだ。
海や山で遭難した人が数週間水だけでなんとか生き延びた、みたいな例は昔からあるしね。
俳優の榎木孝明さんも「不食」を実践したことで有名だけど、きちんと水分はとっていたようなのだ。

ところが、世界には、一切の水もとらずに、特殊な呼吸でまわりのエネルギーを取り込むことで意起きていられる、と主張する人がいるのだ(>_<)
何の刃だ?
霞を食べると言われる仙人も、元気玉のようにまわりのエネルギーを体内に取り入れる、ということらしいんだけど、実は、仙人は、薬膳や生薬にも通じていて、必ずしも食事をとらないわけではないのだ。
そもそも不老不死を実現するために金丹薬を作ったり、火を通さないもの(ナッツやドライフルーツなど)を食べるなんて話もあるから。
インドのヨガ行者にも、一切の飲食をせず、また、一切の排泄もせず数十年ヨガの呼吸だけで生きている、なんてがりがりのおじいさんがいたけど、その人は隠れて食べていることが後で判明したりしているのだ。
っていうか、腸管の上皮細胞は毎日はがれて新陳代謝するので、便として排出されないとおかしいんだよね。
それが腸管内の細菌に完全に分解され、腸から吸収されるというなら別だけど。
どうも虚構のにおいしかしないのだ。

水分はもっと重要で、仮にまったく尿を排出しなかったとしても、体表面から常に水分は蒸発していっているし、呼気の中にも水蒸気は含まれるので、その分は最低限補わないとひからびていくはずなのだ。
外から水分を足さなければ、干物を作っているのと同じだからね。
さすがに空気中の微量な水蒸気を体に取り込むだけでは無理だよ。
それだけ空気中に水分があるなら洗濯物は乾かないことになるし、仮にそれができるメカニズムがあるなら、世界的な飲料水不足の問題が一気に解決するよね。
光合成できるナメック星人だって水は必要だよ。

というわけで、このブレサリアンに関する書籍なんかも販売されていて、日本人で実践している人は各地で講演もしたりしているのだけど、「眉唾」としか思えないのだ。
少なくとも、一般に認められている科学知識ではどうしても説明できない世界がそこにあるんだよね。
現代科学が万能なわけではないけど、エネルギー保存則を超えているので、量子化学のさらに先にあるもの、ということになってしまうよ・・・。
こういう人たちはさすがに他人にまでブレサリアンの生活を勧めるわけではないからいいんだけどね
(笑)

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