2021/07/17

そばの真正性

 暑くなってくるとおそばがおいしいのだ。
つるつるっと食べやすいしね。
汁やたれを作っておけば、後はそばをゆでるだけで、それも乾麺を使えばかなり簡単。
我が家ではけっこう朝ごはんのメニューに登場するよ。
そんなそばだけど、けっこう価格帯に広がりがあるよね。
当初は、国産そば粉か海外産そば粉か、生産地が国内か中国か、くらいの差だと思っていたんだけど・・・。
実はそれだけではなく、「そば粉の含有量」というのも大きなファクターだったのだ!

どういうことかというと、そばとは名乗っていながら、そば粉より小麦粉の方が多く使われている商品が多いのだ!
特に、価格帯の安い乾麺や、チェーンの立ち食いそばなどがそう。
口が悪い人は、色つきの細いそば風味うどん、なんて呼んだりも。
一応、「そば」と標記するにはルールがあって、景品表示法に基づく業界団体が作成する自主規制ルールである「公正競争規約」において、「そば粉が30%以上含まれるもの」でないと「そば」と標記してはいけないのだ。
でもでも、逆に言うと、小麦粉が7割でも「そば」という名称で販売が可能なのだ。
つなぎとして小麦粉を2割使うのが「二八そば」だけど、この場合は、「七三そば」になってしまうね・・・。

なので、本格的なそばを食べたい、より濃厚なそばの風味を味わいたい、乾麺であってもそば湯を楽しみたい、なんて希望があるのであれば、そば粉がどれくらい入っているかをきちんと確認して商品を選ぶ必要があるよ。
でも、実はこれは割と簡単。
「原材料表示」の欄を見て、「そば粉」が最初に登場しているかどうかを見ればよいのだ。
最初に登場するのが「小麦粉」の場合は、そば粉は5割未満というのが自動的に決定するのだ。
そのわけは、食品表示における原材料表示のルールにあるんだ。

原材料表示のルールは、自主規制ルールの公正競争規約とは違って、食品表示法に基づく内閣府の布令「食品表示基準」によって定められているよ。
こちらは府省令なので、法令の一部なのだ。
第3条で原材料名表示のルールが出てくるんだけど、「原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する」となっているのだ。
つまり、そばの場合はほぼほぼそば粉と小麦粉だけでできているはずなので、そば粉と小麦粉のどちらが最初に出てくるかが重要ということ。
ために階層などを練り込んだそばもあるけど、単純化してそば粉と小麦粉だけでできていると仮定すれば、原材料表示で「そば粉、小麦粉」の順で出てきたら、5割以上そば粉が使われていることが確定するわけ。
少なくとも「五五そば」以上は保証されるよ(笑)

ただし、簡単に見抜けるのはそこまでで、その先そば粉が本当にどれだけ使われているかは自主的な表示内容に頼らざるを得ないよ。
「十割そば」のような名称で売っている商品もあるし、「本格二八そば」みたいなのも。
でも、こういう割合がわかりやすいものだけではなくて、「そば湯も楽しめる」なんていう微妙な表現だと、「そば粉が何割以上になるとそば湯として楽しめるのか?」という感覚的な受け止め次第になるのだ・・・。
こういうのって、そば粉が多い方が売りになることが多いので、本当にそば粉を多めに使っていれば、「そば粉○割使用」と書いたりするんだよね。
さすがに虚偽表示はダメだから。
でも、何も書いていない、ちょっと曖昧な用言の場合は、原材料表示でぎりぎりそばがトップに出てくるような割合で、みたいな場合が多いのかも。

とはいえ、そば粉が多ければ良いというわけでもなくて、そば粉が多いとどうしてもぼそぼそしがち。
だからこそむかしから「つなぎ」をつかっているわけで。
なので、あとは食感の好みなどで選べばいいんだよね。
もちろん、小麦粉が最初に出てくるものでも気に入っていればそれを食べればいいわけだけど。
ただ、そばの方が健康に良いからそばを食べたい、なんて思っている場合は、きちんとそば粉割合の高いものを見極めた方がよいのだ。
そば色のうどんだと、けっきょくGI値(食後の血糖値の上昇度合いを示す数値)が高いからね。

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