2021/12/18

八百八島

 最近知ったんだけど、日本国内の島の数って、政府の公式見解と各自治体が発表している数字で違いがあるそうなのだ。
政府は、昭和62年(1987年)に実施した海上保安庁の調査で「6,852」としているんだよね。
戦後すぐにGHQの指示で海上保安庁が調べたときは2,394あまりで、その後、トカラ列島、奄美群島、小笠原諸島、沖縄の変換に伴って数は増え、昭和44年(1969年)には「3,922」になっていたんだって。
そこからするとけっこう数が増えているんだよね。
でも、この数字は内訳がなく、どの島を数えているか不明だったので、昭和62年に改めてきちんと基準を設定して数え尚したわけ。
この時の基準が、「周囲0.1km以上の陸地」というもの。

一方で、政府ではないところが数えたものとしては、昭和57年(1982年)に財団法人日本離島センターが数えたもので「4,917」というのもあるのだ。
これは地図上で「島」とか「礁」とか「岩」とか固有名詞がついている水に囲まれた陸地を規模に関係なく数えたもの。
当然数え方が違うので数も違うんだよね。
これは大きな陸地でも名前がついていないと数えないし、本当に小さな陸地でも名前さえついていれば数えてしまうので、ちょっと怪しい数字ではあるのだ。

で、各都道府県は自らの治世情報として島の数なんかを公表しているんだけど、それを単純に合計すると、このどの数字にも当てはまらないそうな・・・。
ようは、地方自治体はさらに独自の数え方をしているというわけ!
昭和62年の調査についてはどの島を数えているかがわかっているので、政府としては自治体に政府公式見解に合わせるよう要請はするんだろうけど、周囲1km以上くらいだと、海中の大きな岩みたいなものもあるわけで、自治体としてはそういうのを「無人島」というのははばかられるんだろうな、とは想像できるよね。
とはいえ、我が国の領土の「島」であるかどうかで、領海の範囲や排他的経済水域(EEZ)の広さが変わってくるので、けっこう重要。
内海はどうでもいいのかもしれないけど、外海についてはけっこうシビアだよ。
沖ノ鳥島は「岩礁」なんじゃないかなんてクレームが出ることもあるけど、あそこが領土としての「島」なのか、「岩礁」なのかでEEZの広がりがかなり変わってくるんだよね。
そりゃあ、狭めたいと思っている勢力から見れば邪魔でしかない(笑)

ちなみに、日本国内だ最大の島は、当然「本州」。
日本人の多くは「島」という認識ではないけどね。
世界的に見ても第7位の大きさの島だよ。
次いで、北海道、九州、四国、となるんだけど、その次は択捉、国後となって、さらにその次が沖縄。
つまり、北方領土のあるなしでけっこう領土の広さに影響が出てくるわけ。
これは北方領土問題が大きな問題であることがよくイメージできる数字だよね。

一般的な、大きな陸の塊が「大陸」、小さな陸の塊が「島」で、最小の大陸は豪州、最大の島はグリーンランドとなっているんだ。
グリーンランドは豪州の1/3~1/4くらいの大きさなので、そこまで大きな差があるわけではないんだよね。
ただし、第2位のニューギニアになるとそこからさらに1/3くらいなので、グリーンランドを除けば、桁一つ落ちるくらいには大きさの差はあるのだ。
でも、これってイメージ的なもので、実際の定義としては使えないので、国際的には、国連海洋法条約(UNCLOS)の基準で判断されるよ。
3つの基準があって、
①自然に形成された陸地であること(=埋め立て地ではない)
②水に囲まれていること(=琵琶湖の竹生島のように湖の中の陸地もOK)
③高潮時に水没しないこと(=常に水面に出ている陸地がある)
となっているのだ。

我が国の沖ノ鳥島が一部の国から問題視されるのは、消波ブロックなどを設置し、波浪による侵食によって満潮時に水没しないようにしているから。
放って置いたら水に沈むんだからもはや「島」ではないだろう、ってことなんだけど、EEZのこととかを考えると、断固確保すべき領土なんだよね。
似たような名前の南鳥島は海山の山頂部が水面に出ている島なのでそういう心配が全くないんだけど。

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