2023/01/14

鉄はどこから

 ほぼほぼ不足することはなさそうな気もするんだけど、なんとなく鉄分補給と思って毎朝ドライプルーンを一粒食べているのだ。
味も好きなんだけどね。
時々献血している限りにおいては、赤血球数も問題ないので、鉄分は欠乏していないはず。
男性の場合はよほど栄養状態が悪くない限りは鉄欠乏にはならないんだけどね。
とはいえ、気になるので鉄分をとろうとすると、そんなに選択肢はないのだ。
鉄分が多く含まれているとされる食品は、ほうれん草(特に根に近い赤いところ)、レバー、プルーン、そしてヒジキ。
この中だとプルーンが食べやすいのでそうしているのだけど、学校給食なんかだと、ほうれん草やひじきが選ばれているよね。

でも、数年前、けっこう衝撃的な話が出てきたのだ。
文部科学省の日本食品標準成分表の改定の時(2015年の第7改定)、ひじきに含まれる鉄分量が大きく引き下げられtのだ。
およそ9分の1のレベル。
それでも鉄分含有量は多いのだけど、これは学校給食の献立に大きな影響を与えたんだよね。
それえまではたまにひじきの煮物を出せば鉄分は問題なくクリアできたのに、そのジョーカー的なカードが使えなくなったから。
これにより、小松菜やほうれん草の登場回数が増えることになったのだ。
給食でレバーは出しづらいからね。

そのときに、鉄分量を下方修正する理由として挙げられたのが、製法の変化による影響というもの。
従来は鉄釜で煮て乾燥させて作っていたんだけど、それがステンレス製になったため、鉄分含有量が減ったというのだ。
つまり、鉄釜から煮汁中に溶け出した鉄イオンをひじきが吸収していたんだけど、それがなくなった、というわけ。
これは未だに信じられているんだけど、どうもあやしいんだよね。
そこまでひじき中に残るほど鉄が溶け出しているのか、と単純に思うし、業界団体である「日本ひじき協議会」の独自調査によると、この鉄釜説とは不整合なデータも出ているんだよね。

それは、中国産や韓国産のひじきも鉄釜ではなくステンレス釜でに煮られているにもかかわらず、鉄分量は引き続き多いままだということ。
このため、同協議会では、製法の違いというより、産地の違いの方が大きいのでは、と考えているようだよ。
我が国に実際に流通しているひじきは、9割が輸入(中国産・韓国産)で、残り1割が国産。
なので、実は普通に食べているひじきは従来どおり非常に多くの鉄分を含んでいるもの。
ということは、国産ひじきしか使っていない、ということでもない限りは、学校給食ではむかしどおりの扱いでひじきを献立に入れればいい、ということになるんだよね。

でも、産地の違いというのもまた不思議な話だよね。
国産ひじきでは、昔に比べて減っているので、それだけ環境の変化があったということだけど、それもどうなのか?
ちなみに、国産はほぼほぼ天然もので、中国産・韓国産は養殖もの。
天然物は荒磯でもまれているんだけど、養殖物は並の静かな入り江で育てられているとか。
すると、養殖ものの場合は「富栄養化」している可能性があって、ひじきが成長するまわりの環境でもともと鉄イオンが多い可能性があるんだよね。
海水中の鉄イオン濃度がどこまで変化しているのかは不明なんだけど、一般には、表層では薄く、深いところで濃い、栄養塩型の分布といわれているんだよね。
天然ひじきは浅いところに生えているので、まわりの環境ではそこまで鉄イオンは多くないのだ。
これが海洋環境の変化(海水温上昇など)によってより薄くなっている可能性はあるんだよね。

とはいえ、大きく落ち込んでいるので、そこまで急激な変化が本当にあるかはちょっと疑問。
これは検証しにくいのだけど、ちょっとあやしいな、と個人的に思っているのは、同じステンレス釜と言っても、日本と中韓では違うのでは、ということ。
つまり、日本ではきれいなぴかぴかのステンレス釜を使っているけど、中韓では古くなってすでにさびの浮いているような釜を使っているのではないか、というのがそこはかとなく思い浮かぶのだ。
ステンレスはきちんとメンテナンスしているとさびないけど、さびたものと接触させておいたりするとさびが浮いてくるんだよね。
そのさびはまさに酸化された鉄で、水の中にも一部溶け出すので、きれいなステンレス釜うを使ったときより多くの鉄が煮汁中に含まれる可能性がるんだよね。
なんとなく、中国産・韓国産で多い、といわれると、そう思ってしまうんだよなぁ。
これが一番しっくりするんだけど、実際はどうなんだろう?

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