2023/01/07

おせちもいいけどカレーもね、には何をつけあわす?

 最近は見なくなった気がするけど、、昔はお正月の三が日明けくらいによくカレーのCMを見たのだ。
ククレカレーは、「おせちもいいけどカレーもね」なんてキャッチフレーズだったよね。
お正月におせち料理と雑煮が続くと飽きるから、大きく味を変えてカレーなんかどう?、ということなんだけど、確かになぁ、と思ったものだよ。
でも、今気になっているのは、カレー本体ではなく、その付け合わせ。
ほぼほぼカレーを食べるときにしか見かけない福神漬なのだ。

なんとなく、現在は「口直し」的にとらえられているよね。
でも、それが本旨だとすると、酸味のあるらっきょうの方がメジャーになってもおかしくないと思うのだ。
本場英国式カレー&ライスにはピクルスがつくので、その代わりにらっきょう、というのが最初らしいから。
福神漬はあまじょっぱいという感じなので、そこまで口の中がすっきりするわけでもないような・・・。
と言うことを思っていたら、東洋経済の面白い記事を見つけたのだ。

フードライターの人が書いているのだけど、福神漬そのものの歴史とカレーに付け合わされるようになった経緯を考察したもの。
今ではカレーと一体不可分的なイメージがあるけど、福神漬はかつて独立した漬物だったのだ!
そう、たくわんなんかと同じ扱い。
それがなぜカレーとセットみたいになったか、という考察だよ。

ボクなりに簡単にまとめると、
①福神漬はごはんを食べるための漬物として開発されたもので、開発者とされる上野の「酒悦(当時は山田屋)」によれば、「ほかにおかずがいらないのでお金が貯まる」とも言われたほど人気があった。
②御一新後に洋食がはやりだしたとき、皿盛りのごはんには漬物が添えられるのが通例で、その際、もともtも細かく刻まれていてフォークでも食べやすく、大量に用意しておいても保存が簡便な福神漬が選ばれた。
③つまり、カレーライス以外でも、洋食のごはんには漬物として福神漬が添えられるがスタンダード化していった(ライスのみオーダーして福神漬だけで食べたり、ごはんに備え付けのソースをかけて「そーライス」にして食べるなんてことも。)。
④それは、戦前までは今以上に大量のごはんを食べていたからで(成人男子の場合一色で1.5合~2合)、おかずのほかに漬物でごはんを食べていたから。
⑤カレーの場合も例外ではなく、ルーだけでは足りないので、漬物でもごはんを食べていた。
⑥戦後になるとごはんを鯛御量に食べる習慣がなくなっていくとともに、洋食を箸で食べる習慣が出てきたので、付け合わせは「フォークでも食べやすい」福神漬である必要はなく、より薄味の浅漬けなどが添えられるようになっていった。
⑦しかしながら、カレーだけはスプーンで食べるので、福神漬が継続して添えられ続け、今のようなセットになっていった(ただし、福神漬の塩分濃度を見ると、ごはんのおともだった時代はしょっぱいが、単なる付け合わせになっている現在は薄い。)。
といったところ。

この話で一番びっきりするのは、カレーを頼んだとき、たっぷりのごはんとそれにはr足りない量のルー、そして、残りのごはんを食べるための福神漬が出てきた、というところだね。
そんなにごはんを食べていたのか。
っていうか、カレーをもう少し増量しろよ、と思ってしまう。
カレー自体が納豆みたいな感覚で、おかずのひとつ、ということなのかな?
考えてみると、江戸時代の食事を再現したもの、なんて見ると、大量のごはんに漬物、少しの魚、味噌汁、みたいな献立なんだよね。
岡zは少量でしょっぱいのが基本、それで大量のごはんをかっこむ、というもの。
結局明治になってもしばらくはその習慣がそのまま続いたってことなんだね。
表面上は洋風でハイカラになっても、ごはんの食べ方は実は変わってない・・・。
これが和魂洋才なのか(笑)

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