2023/03/11

できればあたたかく

 東京ではあんまり聞かないけど、地域によってはコンビニでおにぎりを買うと「あたためますか?」って聞かれるんだってね。
おにぎりは冷めたままでもわりとおいしく食べられるけど、冷や飯じゃなくて、温かいごはんが食べたい、ということのようなのだ。
確かに、駅弁敷かない時代はお弁当のごはんは冷たいもの、というのが当たり前だったけど、ほか弁が登場し、さらには、コンビニ弁当が出てくると、弁当であっても暖かいものを食べる、というのがスタンダードになってきているよね。
高校時代はお弁当をストーブの上に置いたら怒られたものだけど、今では電子レンジで温められるようになっている学校もあるらしい・・・。

もともとお米を炊いたり蒸したりするのは、主成分であるデンプンをかたい状態から、すいぶんをおおくふくんでやわらかくもっちりとさせる糊化(アルファ化)するためなんだよね。
でも、熱を加えてから時間が経つとだんだん劣化していって、かたくなっていくのだ。
これが冷や飯の状態であり、合血コチにかたまった鏡餅の状態。
でも、ここでもう一度熱を加えると再びやわらかくなるんだよね。
お持ちで言うと焼いたりゆでたりした後の状態。

炊いたお米の場合、炊き直しというのもないわけではないけど、これは大変。
現在のような電気炊飯器がない時代、釜で炊いていたときは、炊きあがったごはんはおひつに移して保存したので、わりとすぐに冷めるんだよね。
なので、炊きたてのt機以外は冷や飯を食べることになるのだ。
これを炊き直ししようとするとまたかまどに火をおこさないといけないから・・・。
でも、やおおあり冷や飯でなく、暖かくして食べたい、という需要があったわけで、工夫をしていたのだ。

そのひとつが湯漬け。
簡単な話で、冷や飯にお湯をかけて温める、というもの。
江戸時代広範になると煎茶文化が普及して、ただのお湯ではなくてお茶をかけて茶漬けになるのだ。
汁物の中に冷や飯を入れて一緒に煮てしまう、雑炊やおじやみたいなのも同じ考え方。
関西のねこまんまは、冷や飯に味噌汁などの汁物をかけたものだけど、これもまったく同じコンセプトだよね。
あたたかい液体があればそれと一緒にあたためる、ということなのだ。

原理的には再加熱すればいいだけなので、熱水であたためる以外に、焼いたりしてもいいわけだよね。
で、もちろんそういうのもあって、代表的なのは秋田のきりたんぽ。
冷や飯を少しつぶしながら棒を包むように巻き付けて焼くのだ。
鍋物・汁物に入れたり、味噌をつけて食べたりするんだよね。
新潟では、おにぎりに味噌をつけて焼いたようなけんさ焼きというのがあるよ。
検診公が遠征中に剣先におにぎりをさして焼いて味噌をつけて食べた、ということが由来らしい。
現代では、炊きたてをすぐ冷凍しておくとレンチンでまるで炊きたてのようなごはんになるけど、昔はこうやって工夫をしていたわけだよね。
栄養的にもカロリーのかなりの部分をお米に頼っていたので、お米をおいしく食べることが最重要課題なのだ(笑)

今度は、同じような米食のアジアの国ではどうか。
中国のチャーハンや韓国のクッパくらいしか思い浮かばないけど、まずもって重要な前提は、食べているお米の種類が違うということ。
基本的には日本以外のアジアの国は長粒米を食べるのが基本なのだ。
なので、よりぱさぱさしていて、粘りけも弱いわけ。
こういうお米は冷や飯になるとおいしく食べるというのは無理のようなのだ。
インドのように温かい汁物のカレーと混ぜて食べる、というのはありだけど、にぎりめしみたいに冷めたまま食べるのはなしなんだよね。
なので、チャーハンは冷や飯の長粒米をなんとかおいしく食べる調理法で、初日は炊きたてのごはんをおかずを食べ、残ったお米をチャーハンにして食べる、というものなのだ。

一方で、中国やタイの一部では餅米も食べるよね。餅米は冷めてももっちりしているので、冷めたものが食べられることがあるのだ。
中国のちまきなんかがそうだよね。
タイ北部にも同じような料理があるらしい。
これは日本のおこわと同じで、十分に水に浸漬した餅米を蒸して作るんだよね。
温め直しは蒸すのだと簡単なので、それも可能。
逆に汁物と一緒にするととろけちゃうので、それは向かないのだ。

というわけで、茶漬けみたいな文化は以外と日本特有なんだよね。
かつてCMでラモスが「日本人ならお茶漬けやろ」と言っていたのはあながち間違いではないらしい(笑)
というわけで、ぶぶ漬けでも食べて、さっさと家に帰ろう。

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