2023/03/18

やめてくれや

 ガーシー参議院議員が除名処分になったのだ。
現行法制下では72年ぶり3人目だそうで。
そもそも日本国内にいないからなぁ。
下手な議員よりはお騒がせで有名にはなったけどね。
それにしても、選挙で受かっても議員を辞めさせられるっていうのはそれだけのことなのだ。

日本国憲法では、第58条第2項で「両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。」と定めていて、これが今回の根拠規定。
国会法では、懲罰の種類を定めていて(第122条)、低い方から、「公開議場における戒告」、「公開議場における陳謝」、「一定期間の登院停止」、そして、「除名」になっているんだ。
今回の場合で言うと、2番目に軽い「陳謝」をせよ、と決定したのにしなかったので、改めて懲罰委員会にかけられたわけだよね。

憲法で言うところの「会議その他の手続及び内部の規律に関する規則」というのは、両議院の規則のことを言っているんだけど、参議院規則では、懲罰について第232条から第247条まで16の条文で規定しているのだ。
このうち、第245条が「除名」に関するもので、「議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重い者に対しては、登院を停止し、又は除名することができる」とされているんだ。
確かに騒がし、体面を汚しているから、あとはその上場が特に重いかどうかを懲罰委員会で判断するわけ。
で、懲罰委員会では3月14日(火)に除名すべき旨を決定したのだ。
でも、これだけでは当然議員資格を失わせることはできないんだよね。

憲法の時点で、但し書きにあるように、出席議員の2/3以上の参政がないとその処分は下せないのだ。
ちなみに、参議院本会で除名処分が決定できなかった場合、それで無罪放免というわけには行かない仕組みにもなっているのだ。
具体的には、参議院規則第246条で「懲罰委員会が、除名すべきものとして報告した事犯について、出席議員の三分の二以上の議決がなかつた場合に、議院は、他の懲罰を科することができる」となっていて、次に重い登院停止処分にすることができるようになっているんだ。
実際にそういう例もあるみたい。
ちなみに、登院停止については、どんな内容であっても、また、複数の案件が同時進行で重なっていたとしても、トータル30日間までとなっているのだ(参議院規則第242条)。
なので、一月の停学処分みたいなものだよね。

除名された場合は、その時点で直ちに議員資格を失うようなのだ。
なので、ガーシーさんはもうもと参議院議員、というわけ。
それと、ガーシーさんは比例区選出でまだリストに候補者がいるので、別の人が繰り上げ当選になるのだ。
元N党、現政治家女子48党としては議席を失うことはないわけ。
仮に選挙区選出の場合は補欠選挙になるけど、国会法第123条は「両議院は、除名された議員で再び当選した者を拒むことができない」としているので、除名されても補欠選挙でもう一度勝てば戻れる仕組みにはなっているよ。

それにしても、大変な騒ぎになったのだ。
ま、国会議員として選出されていながら国会に登院しないというのはいかがなものかと思うけど、我が国の場合は必ず登院しないと議決権が行使できないからこうなるんだよね。
仮にデジタルで議決権が行使できるようになると、ガーシーさんもドバイにいながら国会の議論に参加できたかもしれないのだ。
質問主意書は出したりしているみたいだから、議員活動を全くしていなかったわけではないみたい。
それより、今回のこの騒動で浮かび上がってきた、大物議員で日本にいながら全然国会の会議に出ていない人たちがいる、という方が問題な気がする。
かつては収監中に当選した人もいたくらいだしね・・・。

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