2023/03/04

かしこく(?)乗る

 最近よくTVのCMで「カーリース」を見るのだ。
自動車を買わずに借りるという形にして乗るもの。
「車のサブスク」なんて表現されることもあるよね。
不特定多数の人に貸し出すレンタカーとは違って、自己所有と同様に自分で用意した駐車場に止め、自部tんだけが使うのだけど、所有権はない、ということなのだ。
これは何が得なのか?

法人契約の場合はメリットがあるんだよね。
それは、自動車を所有しちゃうと固定資産になってバランスシート(貸借対照表)上に計上し、減価償却をしていくことになるんだ。
これが自己や不具合で使えなくなると損金も発生したりするんだよね。
一般に固定資産が増えすぎると経営の柔軟性が失われるので(例えば、使わなくなったからと言ってすぐに処分できない、残存価格に見合う下取り価格で売れない場合は損金が発生する、など)、いやがられるんだよね。
実際に、ある時期は大量に車が必要だけど、長期的にはそこまでの台数はいらない、みたいな事情がある場合、自己所有しちゃうとその資産がだぶつくのだ。

そこで、借りるという形をとると、固定資産ではなく、賃貸料を払う、という形式になるので、(キャッシュフロー(損益計算書)にだけ出てくることになるのだ。
メンテ費なんかも含めて費用の固定化できるのも魅力なんだよね。
これはコピー機とかパソコンとかでも同じようなやり方がなされているよね。
メンテナンスや消耗品とセットで契約してもらえれば、貸している方にもメリットがあるのだ。
そう考えると、石油会社がカーリース事業をしているのもわかる気がする。
ガソリンは必ずうちの系列店で入れてくださいね、という形で貸し出せば有料顧客がゲットできるわけだ。
多少リースの手数料を値引いてもうまみが出てくるよね。

個人リースの場合、そこまで個人に対してメリットがあるというと、どうもあやしいんじゃないか、というのがよく言われるところ。
最大の魅力は、初期費用なく、月々定額を払うだけで辰砂が手に入るところ。
カーローンと違って頭金とかも不要なんだよね。
で、このリース料の中には、契約期間後の残存価額の下取り額をさっ引いた自動車の価額を月割りにしたものに、自動車税などの税金、自賠責保険、メンテ費、リース手数料などが上乗せされるのだ。
初期費用は抑えられるけど、月々支払う金額が安いというわけではないのだ。
仮にそうなったらビジネスとして成り立たないし。

で、リース契約期間終了後については、
①次の車に乗り換える(想定されていた残存価額で査定されれば何も金銭のやりとりナシ、仮に雑に乗ってしまって残存価額が低めに査定されると費用がかかることも)
②残存価格で買い取って自分のものにする(途中でリース手数料を支払っているのでローンを組んだ場合より支払総額は多め)
③リース期間を延長する
のどれかになるよ。
③は契約期間を延長しているだけだけど、最終的に②のように買い取るとすると、一番そんな選択肢なのだ。
すぐには乗り換え需要がないから、ということで①じゃなくて③ならあり得るんだけど、もうこの後ずっと乗る、ということであれば②を選んだ方がお得ではあるんだよね。

で、CMなんかだと、次から次へと新車に乗り換えられる、という点をアピールするんだよね。
それは①がポイントで、中古車として他に売れる(或いは、貸し出せる)ニーズを持っているからこそこれがビジネスになるのだ。
自動車会社でなく、中古車事業者もカーリースを始めているのはこれ。
貸し出しように新車を買うんじゃなくて、最初はカーリースで貸して、ある程度古びてきたら不特定多数にカスレンタカーにシフト、という感じに回すわけ。
レンタカーで貸す場合も車の古さである程度メニューの差別化はできるけど、新車をいきなりレンタカーで貸すのはもったいない、それよりはカーリースにした方が利益率が上げられる、ということだと思うんだよね。

ちなみにこのカーリースについてネットで調べようとすると、それこそ無数の「デメリットばかり」というのが出てくるんだよね・・・。
どういう観点で評価するかだと思うけど、とにかく数年ごとに新しい車に乗り換えたい、ということであればよいものなのだ、
逆に、自分で車を持ちたいけど初期費用が出せないからリースで借りてから最後買い取る、みたいな発想だと、かえって支払総額が増えている、ということなんだよね。
なんだかリボ払いに似ているところがあるのかも。

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