2023/11/11

いつの間にか闇バイト

 ネットの記事でおそろしいものを発見したのだ!
X(旧ツイッター)の「お金配り」が特殊詐欺の闇バイトの入口だった、という話。
某社長が本当に配ったりしているから「全部詐欺」とは言わないけど、普通に考えればそんなうまい話はないよねぇ。
せいぜい銀行口座ほかの個人情報を抜かれる程度かと思っていたら、いつの間にか詐欺に加担させられていたんだって。
当然、本人にその意識はないので警察に逮捕されても否認・・・。
拘留が長引くのだ(>_<)

単純化した図式はこういうことらしい。
よくわからないアカウントが「お金配り」を実施。
「このアカウントをフォローしてリツイートしてくれたアカウントから抽選で〇名様に〇万円が当たります」とかなんとか。
フォローだけならとやってみると、「当選したので振込先の銀行口座を教えてください」との連絡が来る。
やったー!、と思ってそれに返信すると、確かに〇万円が振り込まれた♪
詐欺かと思ったけど本当だったんだ、とここで安心する。
その後、よく知らない人からいきなり大金が銀行口座に入金されてびっくり。
ほどなくして、〇万円くれたアカウントから、「誤ってそちらの口座にお金を入金してしまったので返してほしい、大金なのでできれば手渡しで、持ってきてくれたら謝礼は払う」とかなんとか連絡が来る。
前に〇万円くれた人だし、またなんかもらえそうだし、と思って言われた通り、自分の口座に振り込まれた大金を引き出し、指定された場所までもっていく。
すると、そのうちのいくらか(〇万円よりさらに多いくらいの金額)を謝礼でもらえた、ラッキー。
ところが、しばらくして警察がやってきて詐欺容疑(受け子)で逮捕。

特殊詐欺の場合、被害者に振り込ませる銀行口座から身元が割れるので、多くの場合はそれを避けるように金のやり取りをするのだ。
ひとつあるのは、借金などで首の回らなくなった人に持ち掛け、その人の口座を詐欺の振込先に使うこと。
その人は被害者から振り込まれると現金を下ろして元締めのところに持っていくと、いくらか分け前がもらえる、という仕組み。
これがいわゆる「出し子」。
長続きしないし、基本はトカゲの尻尾きりで、本当の元締めが誰かもわからず、という感じなんだよね。
銀行口座を使わずに、被害者に指定場所まで現金を持ってこさせて、それを代わりに受け取るのが伝統的な「受け子」。
こっちは特殊詐欺の形態によって少し演技が必要で、「オレオレ詐欺」で「興津事故を起こして示談金が必要」とか「会社の金を横領して補填しないと首になる」みたいなやつはそれ相応の受け取り方をしないといけないのだ。
そういう意味でちょっと難しいんだけど、詐欺グループからすれば、やはり使い捨てにしないとまずいポジション。

そこで、この二つのいいとこどりで組み合わせたのが、うえで照会したような新たな手法。
そもそも本人は詐欺の片棒を担いでいるという認識もないし、むしろ、間違って入金されたお金を返してあげてる、いいことした、くらいに思っているのだ。
実際は、詐欺の被害者から入金された金を詐欺グループのもとへと運んでいるだけなんだけど・・・。
捨てアカで最初の「お金配り」をしておけば足もつきづらいし、最初にちょっと必要経費はいるけど、あまり考えなしに引っかかってくれる人が次々と現れるしで、闇バイトを募集するよりはいいみたいだ。
ルフィ一味も場合も、闇バイトにスマホで指示していた内容がばれて捕まるに至ったわけで、そもそも相手に犯罪行為に加担していると意識させずに行動させれば足がつきにくいのだ。
いやあ、巧妙になっていくなぁ。

もうこういうのはイタチごっこで次から次へと新しい手法が開発されるわけで、恐ろしいことこの上ないよね。
自分がいつの間にか犯罪者になるんだから。
やっぱり、世の中に早々うまい話はない、ということで、そういうのには飛びつかず、地道にやる、というのがよさそうなのだ。

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