2024/07/13

遊興は自由料金で

 最近少し収まってきたといわれるけど、コロナ禍を経てサウナブームがあったのだ。
ネット記事でもサウナの入り方、有名なサウナの紹介なんかがよく見られるようになったし、それにとどまらず、日帰り系の温泉施設なんかも注目度が高まったような気がするのだ。
テレビでもよく紹介されるようになったよね。
日本人はもともとお風呂好きだからね。
で、そんなときに気になる名称が、「スーパー銭湯」。

そう、街中にある「銭湯」よりは何やら施設的にすごそうなもののはず。
実際、いろんな種類のお風呂があったり、サウナがあったり、休憩スペースが充実していたりとちょっと豪華なお風呂なのだ。
でも、スパ施設や健康ランドと言われる施設よりはリーズナブルな価格で利用できて、数時間滞在くらいを想定しているみたい。
スパ施設だとそれこそ半日から終日という感じだよね。

この健康ランドは、船橋ヘルスセンターがはしり。
いまはららぽーとになっているところに大規模な浴場施設があったのだ。
温泉、サウナ、マッサージ、食堂などなどが充実した施設だったのだ。
さらにそこにプールやショーなども加えてリゾート施設にしたのが常磐ハワイアンセンター(今のスパリゾート・ハワイアンズ)。
で、規模的にそこまではいかないけど、いわゆる普通の銭湯よりは設備面が充実した浴場施設として銭湯を超えた施設、スーパー銭湯が出てくるんだよね。
ざっくりいうと、日帰り系の浴場施設で大規模だとスパ施設、中規模だとスーパー銭湯くらいのイメージだね。

で、じつはこれらの浴場施設は、公衆浴場法で規定する「その他公衆浴場」になるんだ。
街中の銭湯は「一般公衆浴場」。
声が大きな違いで、公衆浴場法の枠組みにおいては、「公衆浴場における衛生等管理要領」による分類があって、「一般公衆浴場」は、「地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設」とされていて、国民の生活を支えるべきものと位置付けられているんだよね。
一方、「その他公衆施設」はそういう生活必需サービスみたいなものではないものが含まれるわけ。
実は、これは制度上大きな違いになっているんだよね
それは、料金規制。
銭湯は都道府県条例で一律料金が定められているのだ。
東京都の場合は7月から値上げされて大人は520円。

これは戦後すぐに発布された物価統制令による規制で、物価の急激な上昇により国民生活が立ちいかなくなることがないよう、主要な生活必需品・サービスは規制料金になっていたんだよね。
戦後10年で多くのものの物価統制は撤廃されて、その後しばらく米価や工業用アルコールなども残っていたのだけど、平成14年以降は一般公衆浴場(銭湯)のみが対象になっているんだ。
すでに風呂なしの集合住宅は少なくなってきているし、漫喫でシャワーを浴びられたりするので、銭湯も自由料金でいいのでは、という意見もあるようだけど、このシステムはまだ維持されているのだ。
逆に言うと、そこからはずれて施設・設備面で魅力度を上げて自由料金の世界でビジネス展開をするのがスーパー銭湯ということになるよ。
多くの場合は1000円以下の入浴料で、貸タオルは別料金みたいな料金体系。
スパ施設だと2000円を越えるから、そのくらいの料金体でどこまでできるか、ということ。
実際、いろんな業種の大手事業者が自己の事業との相乗効果が見込めそうという子でフランチャイズも増えているみたい。
鉄道や不動産だけでなく、遊興施設事業者がラインナップの一つに加えることも。
そういう意味では、日本の娯楽文化の一角になっているのかもね。
お風呂を嫌う文化の国もあるけど(仏など)、日本人のお風呂好きに根差したものなのだ。

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