実は日本式
当たり前っちゃ当たり前なんだけど。
テレビのクイズ番組か何かでパン粉工場の様子を見ていたら、まずは普通に食パン様のパンを焼くんだよね。
で、それを粉砕して乾燥させるとパン粉。
普通の食パンよりはちょっと白っぽいかな、というくらいだけど、これは耳がこんがりしちゃうとパン粉にしたときにむらができるからだろうね。
ちょっとパン粉に砕く前のそのパンを食べてみたい(笑)
パン粉の起源は、古くなり、硬くなったパンを食材として再活用するに当たって、ハードチーズをおろすように細かめの粉状にしたのが最初。
ほかにもパンがゆにしたり、クルトンのように汁物の具材にしたり、或いは、フランスのパン・ペルデュ(フレンチ・トースト)のように加工して食べたりするけど、粉にするのが一番簡便ではあるよね。
シチリアではこの硬くなったパンから作ったパン粉をかけたパスタがあって、アンチョビとニンニクを聞かせて作るらしい。。
パルメザンチーズの代わりにパン粉をかけて、というコンセプトだそうだけど、パン粉で香ばしさを、アンチョビとニンニクでパンチを追加した料理なのだ。
料理をおいしく食べようと追及する姿勢がイタリア的だ!
で、同じイタリアでは、ミラノ風カツレツ(コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ)やライスコロッケ(アランチーニ)なんかの揚げ物料理の衣にも使われているよね。
ほかに、肉団子のような料理を作るときに「つなぎ」に使うのだ。
どれも基本は固くなったパンを細かく削ったものを使うみたい。
これが日本に渡ってきて、養殖文化の中で使われていくうちに、魔改造されるのだ。
まず、当時の日本は米ばかり食べる食習慣で、そもそも福なって硬くなったパンはない!
なので、パン粉用のパンをあえて作ることが必要だったのだ。
ただし、日本式のブレッドはそのまま食べても奄美島を感じるように、パン粉と塩とイースト以外に、バターまたはマーガリンのような油脂成分、牛乳や脱脂粉乳のような乳製品、砂糖などが加えられているんだ。
この一般的な食パンをほぐしたものを揚げ物の衣に使おうとすると、副材料の油脂や乳、糖類が焦げ付いたりして邪魔をするので、あえてフランスパンのようにシンプルな材料で作るそうだよ。
おそらくふんわりしたフランスパンのような感じのはず。
で、どうせならまだ柔らかいうちに使おう、というのが「生パン粉」。
ハンバーグのつなぎなんかの場合は、余った食パンを牛乳につけて、みたいな自家製生パン粉を使うこともあるよね。
今案パン粉は揚げ物の衣にすると、水分がさっと飛んでそこが空隙になり、絶妙なサクサク感が出るのだ。
有名な洋食屋さんなんかはその食感のために生パン粉を使う例が多いみたい。
ふんわり、サクサクの衣。
でも、生パン粉は保存性が悪いので、あらかじめ乾燥させて水分を飛ばしたのが乾燥パン粉。
よくスーパーなんかで売っている普通のパン粉だよね。
さらに、その中間形態で、ちょっとだけ水分をとばしたセミドライパン粉というのもあるらしい。
さらに、日本では使い方によってパン粉の粒の大きさも買えるらしいのだ。
粗目、中目、細目と別れていて、揚げ物の衣に使うのは粗目。
ふんわり感が出るのだ。
そういえば、イタリアの揚げ物の衣のパン粉はなんか日本と違うなぁ、と思っていたけど、パン粉の粒の大きさが異なっていたのだ。
逆に粒の細かい細目は、ハンバーグやミートローフのような肉料理のつなぎや、肉や魚のパン粉焼きのような料理で使われるもの。
パン粉焼きの場青はふんわりサクサクではなくて、こんがりカリカリといった触感だよね。
で、その両方に使える万能タイプが中目で、普通に家庭にあるパン粉は多分これだよ。
で、こんな風に日本のパン粉は「あまりもの」ではなく、料理の材料としてあえて製造するものという位置づけになり、独自の発展を遂げたのだ。
そのおかげか、会では日本のパン粉を「panko」と呼ぶこともあるらしい。
自分たちの知っているもの、使っているものとは別物、ということだね。
なんか「なろう小説」の「俺またなんかやっちゃいました」みたいな展開だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿