2024/10/05

みんなで、朝食に、食べよう

 最近、MCTオイルというのをよく見かけるのだ。
体脂肪の燃焼を助け、ウエストを補足する効果がある、ということで、機能性表示食品になったので、よく宣伝しているかららしい。
CMでもよく見かけるよね。
でも、けっきょくよくわからないので、ちょっと調べてみたのだ。

MCTは中鎖脂肪酸トリグリセリド(Medium Chain Triglyceride )のこと。
炭素数が6~12の中鎖脂肪酸3つとグリセリンが結合したもの。
食用油の中に含まれているオレイン酸やリノール酸はともに炭素数が18の長鎖脂肪酸(炭素数が13~21)だから、それよりも小さな分子。
具体的にはココナッツオイルやパーム核油に含まれるラウリン酸(炭素数12)のような脂肪酸のこと。
当たり前だけど、炭素数が少ないということは分子も小さい。
でも、それ以上に、脂肪酸は炭素数が増えるほど疎水性が増すので、炭素数が少ない脂肪酸は比較的水と混ざり合うのだ。
なので、炭素数の多い長鎖脂肪酸は水の中で油としてまとまっちゃうのだけど、中鎖脂肪酸くらいだとうまいこと分散してくれるよ。

この効果は絶大で、長鎖脂肪酸から構成されるトリグリセリドは界面活性剤として作用する多重産で入荷されないとリパーゼで分解されないのだけど、MCTだと胆汁酸がなくてもリパーゼで脂肪酸とグリセリンに分解されるのだ。
しかも、分解されて出てくる脂肪酸も、長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸で扱いが変わるのだ。
血液中には基本的に低分子のものしか入り込めないので、長鎖脂肪酸は腸管で吸収された後、いったんリンパに入り、そこから静脈に入っていくんだって。
で、すぐに大差されることはなう、中性脂肪としてエネルギー貯蔵に回されるのだ。
腸管から脂肪をたくさん吸収した琳派は白く濁っていて、「乳糜(にゅうび)」と呼ばれるんだけど、確かにこんなどろどろのものが血液に入ったら大変だ・・・。
一方、中鎖脂肪酸は糖やアミノ酸とともに門脈(腸管から吸収した栄養を肝臓に運ぶ静脈)からすぐに肝臓に運ばれて代謝されるんだよ。
これがMCTは消化・吸収が早く、すばやくエネルギーになるといわれる所以。

将来のエネルギー源として蓄えられてしまうと、信望はなかなか燃焼されないんだよね。
瞬発的な運動の場合はグリコーゲンが優先的に使われるので、じっくりと継続的にエネルギー消費をする有酸素運動でないと脂肪は減らないのだ・・・。
これが一度ため込んでしまうとなくすのが大変な理由なんだよね。
その意味では、MCTは非常に魅力的なものだけど、全部これでよい、というわけでもないんだって。
やっぱり摂取量には限界があるし、必須脂肪酸はみんな長鎖脂肪酸なんだよね。

とはいえ、同じ脂質を摂取するにしても、MCTの方が脂肪として貯まりにくく、すぐにエネルギーになって効率的、ということ。
また、胆汁酸を必要としないで消化・吸収できるので、その点では「もたれ」にくいのだ。
というわけで、当初は病院で効率的な脂質吸収のために使われていて、その後、スポーツの分野でエネルギー補給用の脂質として活用され始めたらしい。
で、そうやって使っていくうちに、どうもMCTを摂取すると、脂質の代謝自体が高まったり、食欲が抑えられたり、という効果が報告され始めたんだって。
今でも詳細のそのメカニズムは解明されてはいないのだけど、そこに目を付けたのがダイエット業界というわけで、それで一気にはやり始めたのだ。

中鎖脂肪酸を燃焼させてエネルギー源にする場合、いわゆる「ケトン体」が出てくるのだけど、ケトン体はインスリンの分泌を抑制するなどの効果があるので、そういうのが絡み合ている可能性はあるのだ。
現象として見えていることはプラセボ効果(「思い込み」)でもないようなので、おそらく何か複雑なプロセスできいてる可能性はあるのだ。
でも、機能性表示食品だと、実際に効果が認められればOKなので、詳細な作用機序は不明のままでもよいのだよね。

MCTの利点としては、脂である割にはさらっとしていていろんなものに混ぜやすいこと、そして、それ自体が強い風味があるわけでもないので、味をこわさないことがあげられるよ。
なので、とりあえずなんにでもかけちゃえ、という感じで宣伝されているよね。
飲み物やヨーグルトに入れたりもするのだ。
そうでないとサラダのドレッシングとか用途が限られるから、これも重要な特徴だよね。
もうちょっと評価が固まってきたら、この新たなアブライフに手を出してみてもよいかも。

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