選挙はポップに
参議院選は相当盛り上がったのだ。
既存政党には任せられないと新興勢力も票を伸ばしたしね。
これが民意。
参議院選挙だからこれがすぐに国政に直結するわけでもないのだけど。
そんな今回の選挙で話題になったキーワードの一つが「ポピュリズム」。
日本では大衆迎合主義とか衆愚政治のような悪いイメージで語られることが多くて、今回も報道ではそういうニュアンスを多分に福でいるのだ。
ま、大衆に「耳聞こえのよい」政策をアピールして人気を得ようということなので、そういう側面はあるのだ。
不都合なことは言わない、大衆が聞きたいと思うことを言おうとするあまりに主義・主張が一貫しないなどが指摘されているよね。
与党から見れば、減税を訴えているけど税収が減ることで歳出をどう変えていくのか具体的に言わない、なんてのはよく聞いたこと。
一方で、目先の金配りに効果は薄いとかなんとか言っていたはずなのに状況がまずくなってくるといきなり給付金を打ち出す与党。
いずれにせよ、選挙で票を獲得するためには多かれ少なかれ選挙民の心をつかむ必要があるわけで、完全に「人気取り」的なことを排除はできないんだよね。
むしろ問題は、その時々の状況に即して「政治に主張してほしい」と大衆が思っていることを口にするだけなので、政策がブレブレになるという問題点なのだ。
米国のトランプ大統領やブレグジットの時の英国のジョンソン首相はポピュリズムの典型のように扱われるけど、政策がぶれてはいないので、選挙によって民意が反映されてはいるんだよね。
それが不合理な判断・政策であっても、正式なプロセスで決められたことはsン町しなければいけないのが「民主主義」なのだ。
とはいえ、いわゆる「反エリート主義」や「アンチ・エスタブリッシュメント」みたいな不満を常に抱えているような低所得層をたきつけて数的有利を取る、というのが本当に良いのかどうかという問題だよね。
マキャベリズムに立てば、権力を得るための手段としては正当化されるのかもしれないけど。
で、今回躍進した某新興政党はさっそくいろいろ言われ始めているね。
選挙が終わってから「手のひら返し」があったようで。
最初に出したい法案はスパイ防止法案ではなく反コロナ法案だとか。
外国人排斥をするとは言ってないとかなんとか。
煽って盛り上げて票を得ておいて、投票した人たちが期待したことではなく、もともとその陰に隠していた自分たちがしたいことをするのならばそうなるのは必然ではあるけど。
この関連で最近よく見かけるようになったのは、ヒトラーの「大衆煽動術」なるもの。
そこまでのどてらいうねりになるのかはよくわからないけど、今の経済状況、国際状況は世界大戦前と似ている、なんていう専門家もいるから、より注目を集めているんだよね。
それはこんなもの。
・大衆は愚か者である。
・同じ嘘は繰り返し何度も伝えよ。
・共通の敵を作り大衆を団結させよ。
・敵の合うを拡大して伝え、大衆を怒らせろ。
・人は小さな嘘より大きな嘘に騙される。
・大衆を熱狂させたまま置け。考える間を与えるな。
・利口な人の知性ではなく、愚か者の感情に訴えろ。
・貧乏な者、病んでいる者、困窮している者ほど騙しやすい。
・都合の悪い情報は一切与えるな。都合の良い情報は拡大して伝えよ。
・宣伝を総合芸術に仕立てあげろ。大衆の資格聴覚を刺激して感性で圧倒しろ。
なんだか思うところがあるよね・・・。
こういうものだと危機意識を持っていればまだよいのだけど、追う言う意識を持とうなんて思う人はそもそも騙されないんだよなぁ。
SNSなどの趣味・趣向で入ってくる情報にバイアスが出るような媒体にばかり触れていると、いわゆる「エコー・チェンバー」でより凝り固まっていくんだよなぁ。
何が正しくて何が悪いとは一概には言えないけど、明らかに騙そうとする人たちに騙されないようにはしなくちゃいけないんだよね。