2008/05/10

ふくらめふくらめ

日本に帰ってきてからうれしいことはパンがおいしいこと!
どうも米国の人たちはかたいパンが好きみたいで、ふかふかしたパンが少ないんだよねぇ。
それに比べて日本のパンはふっくらしていておいいしのだ。
もちもちした生地はそれはそれでよいんだけどね。

で、このパンのふっくら具合は製造工程中の発酵の度合いによるんだよね。
焼き上げて作るいわゆる普通のパンの場合、小麦粉とバター、塩、水を練って作ったパン生地にイーストを加えてしばらく置いておいて発酵させるのだ。
すると、イーストがパン生地の中で糖分を分解して炭酸ガスが出てくるんだよね。
1~2時間置いておくとものすごくふっくらふくらむのがそれだよ。
で、生地の中には炭酸ガスのつまった小さな泡ができているんだけど、その生地を焼くとその泡の中の炭酸ガスが温められてさらにふくらむのだ。
これでパンがふっくらするというわけ。
発酵をたくさんさせればよりふっくらするんだよ。
逆に、ベーグルのように無発酵だともっちりしたかたい歯ごたえになるのだ。

でも、ケーキやお菓子の場合は、イーストじゃなくてベーキングパウダーを使うことも多いのだ。
ベーキングパウダーの主成分は重曹(炭酸水素ナトリウム)だけど、これは熱を加えると分解して、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)と炭酸ガスになるんだよね。
で、発酵させたときと同様に炭酸ガスが出てきて生地の中に泡ができて、それでふっくら又はさっくりした感じになるのだ。
でも、重曹の場合は炭酸ガスと同時に苛性ソーダも出てくるので、あまり入れすぎると苦くなってしまうのだ(>_<)

この重曹のふくらし粉としての作用を利用したのがカルメ焼きなのだ。
カルメ焼きは、ザラメをお玉の上かなんかで熱して、融けてきたところで重曹を加えてお箸とかで勢いよくかき回すのだ。
すると、重曹から出てきた炭酸ガスで泡が出てきて、それが粘性の高い融けたザラメの中にうまく泡としてまざるとあの独特の軽石状のカルメ焼きになるのだ。
かき回し方がけっこう難しくて、失敗するとうまくふくらまなくて、あわあわの入ったべっこう飴になってしまうのだ。
最近ではこの熱反応を見て感じとれるということで、学校の理科の実験なんかでもやるんだって。
そういう授業だと楽しいよね♪

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