2008/05/18

ただの草じゃないよ

今日テレビを見ていて知ったのだけど、なんと、牧草というのはただの雑草とは大きく違うそうなのだ!
牧場に生えている草が牧草で、雑草とそんなに違わないと思っていたんだけど、牧草の場合はチモシーやアルファルファ、シロツメクサ(クローバー)などの専用の草をわざわざ生やしているんだって。
草が生えるのを放ってあるだけではないのだ。

なんでも、牧草に使われる草はいわゆる雑草なんかに比べて栄養豊富で、牛や馬も好んで食べる草なんだって。
ぺんぺん草(ナズナ)なんかはどこでも生えるけど、そういうのじゃダメみたい。
でも、クローバーなんかは雑草としても生えているよね(笑)
ところが、クローバーやアルファルファ(こっちはサラダに使うので人間も食べるのだ。)は実は重要で、このふたつはマメ科なので根っこのところに根粒菌という細菌がいるのだ。
この根粒菌は空気中の窒素を取り込んで有機窒素に変えるんだよね。
それが牧草全体の肥料になるので、他のイネ科なんかの牧草の生長もよくなるそうだよ。

遊牧の場合は草を食べきってしまったら場所を移動するわけだけど、牧場の場合は定位置で牧畜をするので常に家畜の飼料が必要なのだ。
モンゴルの遊牧民はそれこそ北アジアを長距離移動するし、アルプスの少女ハイジでもペーターは牧草地を求めて山に入って放牧しているよね。
でも、定位置で牧畜する場合は草がなくなったらそれまでで、どうしても秋の終わりから冬にかけては牧草が育たないので、干し草を作っておいてそれを食べさせるのだ。
干し草は夏の間に草を刈って乾燥させておいただけのもので、日持ちするようにしただけのものなのだ。

これに対して、サイロなんかに入れて作られるサイレージというのはもっと進んでいるんだ。
サイロの中では嫌気性細菌によって乳酸発酵が行われ、うまく発酵させると栄養源となる乳酸などの有機酸を多く含む飼料になるのだ。
草食動物の場合は反芻しながら長時間かけて消化するんだけど、胃の中には細菌がいて牧草に含まれるセルロースを細菌に分解してもらって、そこから栄養を手に入れているのだ。
サイレージの場合はあらかじめ跛行しているので、もっと楽に栄養が吸収できるわけ。
発酵食品(?)にすることで日持ちもするようになるし、栄養価も上がっているというわけなのだ。
忍下名食べる発酵食品と同じだよね(笑)

こうしてみると、牧草をはじめ、家畜用の飼料も奥が深いのだ。
狂牛病のときに話題になったけど、乳牛にはカルシウム分を効率よくとらせるために肉骨粉を飼料に混ぜていたりしたわけだけど、ただ草を食べさせておけばいいというわけではないんだね。
肉骨粉はちょっと問題ありだけど、牛の場合にはカルし無分を多く含む牧草にするとか、きっと工夫が必要なのだ。
競走馬なんかはもっと気を遣っているんだろうね。

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