洋風酒粕
最近どうもミネラル不足っぽい感じがしてきたので、今日は時代遅れ(?)のビール酵母を買ってきたのだ。
米国に留学していたときは自分で気を遣って野菜を多めにとったりと工夫していたんだけど、やっぱり日本にもどってきてお仕事をするようになるとそうもいかなくなるのだ。
で、注目したのは留学前にも食べていたビール酵母なのだ。
おいしくないけど、必須アミノ酸や必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなんかがバランスよく入っているんだよね。
で、その正体は、名前のとおり、ビールを造るときの酵母(イースト)なのだ。
ビールは大麦の麦芽から作るんだけど、麦芽になるとアミラーゼという酵素が出てきて、それがデンプンを加水分解して麦芽糖が出てくるのだ。
この麦芽糖を酵母が分解するとアルコールと炭酸ガスが発生するんだけど、樽に詰めたまま炭酸ガスを抜かないと液中にに炭酸ガスが溶けてビール独特のしゅわしゅわの飲み口になるのだ。
この発酵が終わった後、濾過して酵母や未分解の麦芽をのぞくんだけど、濾過しただけなのが生ビール、熱処理して酵母の活性を抑えているのが「生」でないビールなのだ。
で、濾過して残った酵母はこれまでは肥料にするくらいで捨てられることが多かったんだけど、栄養素がバランスよく含まれていることから栄養食品として注目されるようになったんだ。
酵母も人も体を構成する物質はほとんど同じで、細胞膜はリン脂質からできているし、酵素はタンパク質と糖鎖からできているし、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)は物質的には何も変わらないのだ。
で、ビール酵母はこの酵母をすりつぶして作ったものなので、人間にとっても必要な栄養素がバランスよく含まれているというわけ。
大腸菌を実験的に培養するときには培地にイーストエクストラクトというのを加えるんだけど、これは酵母から抽出したものということでものは同じなのだ。
大腸菌の成長・増殖に必要な微量栄養素なんかをバランスよく含ませるために混ぜているんだよ。
いちいちそれぞれのミネラル分を量って入れるんじゃ大変だからね。
さらに、オーストラリアやニュー・ジーランドではメジャーな調味料のベジマイトもこの酵母のペーストを主成分としたものなんだ。
独特の香ばしい感じの風味でなじみがない人は苦手にするんだけど、慣れるとみそのようなもので何でもかんでも入れるんだって。
栄養的にはビール酵母とまったく同じなので栄養的にはよいものなのだ。
お酒を造ったときの副産物で、酵母が入っているという点では日本酒を造った後の酒粕も同じ。
ボクなんかは酒粕の方が風味もすがすがしいし好きだよね(笑)
やっぱりそれが米と大麦の違いなのかな?
成分的には似たようなもので、栄養素に富んでいるのだ。
調味料として使うなら酒粕の方がよいね。
ワインの澱も同じようなものだけど、ワインの澱の場合はあんまりそういう使い方はないよね。
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