2008/10/04

ふっとんだ

今日は体調がすぐれなくて1日ふせってたんだけど、布団の中ってふかふかであたたかくて気持ちいいよねぇ。
これからもっと寒くなるとますます出られなくなるのだ。
ボクは個人的にはある程度重さがある方がしっくりくるので、綿の布団が好きなのだ。
羽毛布団もよいけど、軽すぎると葉がした後にすぐにどっかいってしまって、それで朝寒くなるから、重い方がよいのだ(笑)

そんな布団だけど、むかしは「蒲団」と書いていたんだよね。
田山花袋さんの小説でもこの字になっているのだ。
これは、もともと蒲(ガマ)を丸く編んだ敷物のことを指していたからなんだって。
今でいう座布団みたいなものが布団のはじまりだったんだねぇ。
で、素材の蒲を丸く編んだものだから蒲団で、この「団」は丸いものを表すのだ。
団扇(うちわ)、団子、団らん、大団円の「団」と同じだよね。

ちなみに、座布団は鎌倉時代あたりに登場したそうで、それまではい草なんかを丸く編んだ円座」を敷いて座っていたみたいなんだけど、権力者がその象徴として人より一段高く座れるようにしたものだそうだよ。
それまでは小さな四角い畳(百人一首の絵に描いてあるやつだよ。)を使っていて、それを持ち運びできるようにしたんだって。
それが江戸時代になると布に綿を詰めたものになり、偉い人だけじゃなくて一般にも広まっていったんだとか。
そのころには座るときに正座をするようになっていたのも普及の一因かもね。

布団といえば、天気のよい日に干すとふかふかになって気持ちよくなるよね。
これは布団にしみ込んだ汗などの水分を飛ばすことが一番の目的なのだ。
さらに、布団干しには殺菌の効果もあるんだけど、この時によく布団をたたくのだ。
むかしは布団をたたくことでダニを追い出し又は殺し、綿をふかふかにする、と考えられていたんだけど、どうもそうじゃないみたい。
ダニはそんなことにはあまり影響は受けないし、綿もたたくと固くなるだけなので、ふんわりと干して表面のほこりだけはらい、あとは布団の表面を掃除機で吸ってあげたりするのがよいみたいだよ。

ずっと敷きっぱなしのふとんは万年床と呼ばれるけど、そうなると布団の中の綿はつぶれてしまってせんべい布団になるんだよね。
もともとは綿の繊維の中にたくさんの空気が含まれていて、それでふわふわ感と断熱効果があってあたたかくなるんだけど、その効果がなくなってしまうのだ。
つまり、せんべい布団はふかふかの布団に比べると保温効果が低いのだ。
こうなると干したくらいではダメで、布団の打ち直しというのが必要なのだ。
最近ではほとんど見かけないけど、布団の中の綿を一度出して、かたまった綿を温めながら小さく刻んでくのだ。
これをざっくりと混ぜていくとまた綿の中に空気が含まれるようになってふかふか感がよみがえるというわけ。
途中で温めることで雑菌やダニを殺したり、水分を飛ばす効果もあるよ。
でもでも、布団の打ち直しでかなり状態は改善するけど、綿の繊維は打ち直すと短くなってしまうし、新品の布団ほどにはふわふわ感はなくて、また、より短い期間でつぶれてしまうのだ。
でも、むかしはものを大事にしたから、何度も打ち直して大事に使ったみたい。

今は布団が平たく、固くなると買い換えてしまうことが多いので打ち直しをしないけど、それ以上に、羽毛や羊毛、化学繊維などを使った布団を使うようになったのも原因なのだ。
不毛の場合は羽のふわふわがつぶれてしまうともほぼ再生はできないからまず買い換えるしかないんだよね。
羊毛や化学繊維の場合は原理的には打ち直しはできそうだけど、そこが植物性繊維の綿と動物性繊維の羊毛、化学繊維の違いのような気がするのだ。
まず、タンパク質である羊毛や化学繊維は熱に弱いから綿のように温めながら、というわけにはいかないんだよね。
細かく刻むにしても、羊毛や化学繊維は長い繊維が縮れることでふわふわ感を出しているので、繊維が網目状に重なり合ってふわふわ感を出している綿とは違ってほとんどふわふわ感がさいせいしないのだ。
というわけで、やっぱり布団の打ち直しには向いていないんだよね。
そこを考えると、綿の布団っていうのは偉大だねぇ。

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