2008/10/25

塩と油とせんべいと野菜と

お菓子大好きなボクが好きなお菓子のひとつがおせんべい。
特におかきとサラダせんべいが好きなのだ!
しょうゆせんべいも好きなんだけど、あれってしょっぱいからそんなにいっぱい食べられないんだよね。
塩味のおかきとかサラダせんべいならいくらでもいけるのだ。
あんまり食べ過ぎると太っちゃうけど(笑)

で、気になったのは「サラダ味」とは何か。
いろんなものにサラダ味ってあるけど、サッポロポテトを除いては野菜の風味はないよね。
でも、サラダ味というとこれっていう塩味が思い浮かぶのでふしぎなので。
さっそくその謎を探ってみると、なんと、あっという間に答えが見つかったよ。

サラダせんべいの大手、亀田製菓のサイトの「よくある質問」に書いてあったのだ!
サラダ味のサラダはサラダ油のことで、従来のおせんべいは炭火で焼きながらしょうゆをぬったりしていたわけだけど、サラダせんべいはそれをサラダ油で揚げて塩をまぶしたものなんだ。
すると、独特のサクサクした感じとこれまでの固い食べ物というイメージを払拭した軽い食感ができたのだ。
おかきは油で揚げた餅菓子だったけど、せんべいの形でそれを作ったのがみそだよ。
また、せんべいの形だとうすいから、おかきのようにかちかちにもならないのだ!
これは戦後のことで、まだサラダ油は高級なイメージだったこともあって、おしゃれな洋風せんべいとして広まったそうだよ。
もちろん、日本にしかない純日本菓子なんだけど(笑)

サラダの語源はラテン語の塩を意味する「sal」という言葉で、これは給料を意味する「salary」の語源でもあるんだよね。
当時は塩は貴重で、ローマの兵士には給料として支給されていたらしいのだ。
こしょうがもたらされるまでは欧州では調味料と言えば塩で、肉でも魚でも野菜でもなんでも塩味だったのだ!
サラダも、今ではシーザーサラダとかいろんなドレッシングがあるけど、むかしは塩味が基本。
そこに油が加わるくらいで、肉料理や魚料理と違ってより塩の味が重要だからそれが語源なんだろうね。

一方、日本の場合は「肥」を使っていたこともあって、スイカやウリなどの果物っぽいものを除いては野菜を生で食べる習慣はなかったんだよね。
これは寄生虫の卵とかがたくさん表面についてしまっていて、それは水で洗った程度では落ちないからなのだ。
そこで発達したのが漬け物。
西洋の人がサラダで野菜を食べるように、日本では漬け物や煮物で野菜を取っていたんだよ。
でも、そうするとどうしてもビタミンが不足するんだけど、糠漬けにすることでぬかに含まれるビタミンB類を摂取することが重要だったのだ。
江戸時代には玄米じゃなくて白米を食べるようになったこともあって、ビタミンB不足で「かっけ」が流行したんだけど、糠漬けを食べるようになったことでかなり解消したらしいよ。

それと、サラダ油というのは日本独自の概念なんだ。
サラダ油はオリーブ油、コーン油、大豆油などの原料名から来る名前ではなくて、サラダに適した油という意味の使用目的から来る名前なんだよね。
日本の場合は日本農林規格(JAS)で、原料や製造方法が決められているんだって。
一般には、植物性油脂で、低温でもかたまりにくく液状を保てないとサラダに使えないので、そういう油のブレンドなのだ。
最近では、○○油という形で原料指定の油を使うことが多くなってきたけど(これは健康によりキャノーラ油とか紅花油、中華風にごま油、イタリア風にオリーブ油と油を選ぶようになったからだろうね。)、むかしは料理に遣う油と言えば、サラダ油か業務用に使われるラードだったんだよね。
で、洋食が家庭でも食べられるようになったとき、必然的にサラダ油を使っていたので、サラダ油というと余色のイメージがつきまとっていて、それがサラダせんべいのイメージ形成にも大きく影響しているのだ。

0 件のコメント: