2008/11/09

こだまは音の速さで

今日はコンサートに行ってきたんだけど、こういう会場って防音・遮音がしっかりしているから、ドアを閉めてしまうとほとんど外に音が漏れないんだよね。
すごい技術なのだ。
壁が薄くてとなりの音がまる聞こえなんてこともあるけど、そういうのはトラブルのもとだからね。
そこで気になったのが音の性質なのだ。
ということで、音にまつわることをちょっと調べてみたよ。

音は空気の振動で、耳で聞くことができるものを通常「音波」と読んでいるのだ。
耳で聞こえないほど高周波なものは「超音波」なんて言うよね。
波というと「~~」というイメージだけど、音波は縦波で、こういう波が来るわけではないのだ。
進行方向に対して出たり引いたりするので、空気の粗密が波として伝わって来るんだよね。
それが音の衝撃波のもとにもなっているし、耳の中の鼓膜はその縦波の震動でふるえて音を感知しているのだ。

で、防音・遮音するにはこの空気の縦波を反射したり、波の振幅自体を弱めればよいというわけ。
単純に跳ね返すのは「ヤッホー」のこだまの原理で、高速道路の遮音壁なんかがそうなのだ。
内側にまいたような形にすることで、外でなく中に音が跳ね返えるようになっているので、外側が静かになるのだ。
むかしはコンクリなどの思い素材で作っていたけど、最近は強化プラスチックの透明なものも見るよね。

で、コンサートホールやスタジオなんかで使われているのは合板系の防音壁。
いろんなやり方があるみたいだけど、単に薄い板をかさねただけの合板でもけっこう防音効果はあるみたい。
その間にスポンジや発泡スチロールをはさんでやると、空気の縦波の震動が伝わりにくくなるので、外に音が聞こえにくくなるのだ。
ようは空気の振動を伝えにくくすればよいわけなのだ。

最近では、位相が逆、つまり波の山と谷が真逆になった音波をぶつけることで音波自体を消滅させるような方法もあるのだ。
でも、音波は通常いろんな周波数の音が重なり合っているから、これをやるにはかなり大変なのだ。
一定の音が出るってわかっていたり、耳には聞こえないような低周波の音波を打ち消すのにはいいんだけどね。
低周波の音波は耳で感じなくても触覚では空気の振動として完治できていて、その影響が体に出るとも言われているのだ。

音が重なり合うと言えばハーモニー。
基本は和音だけど、うまいこと音階を組み合わせるときれいに聞こえるけど、それが少しずれただけできれいに聞こえないんだよね。
これはおそらく「うなり」という現象と関係しているのだ。
周波数が近い波が重なり合うと、ひとつの大きな波が微妙に震動しているような特殊な状態になるのだ。
これが「うなり」の状態で、音の場合は、きれいに「うなり」ができると人間の耳にはひとつの音のように聞こえるんだって。
それが心地よい感じにゆらぐとハーモニーになって、そうでないとずれているように感じるというわけなのだ。
和音に音階が決まっているというのはつまり、周波数の組み合わせということなんだよね。
そういってしまうと身もフタもないような気がしないでもないけど(笑)

それと、音と言えば有名なのは救急車のサイレンのドップラー効果。
ドップラー効果は音以外でもよいんだけど、音がわかりやすいんだよね(光の場合は高速が一定なのでちょっとドップラー効果の見え方が違ってくるのだ。)。
音の場合、近づいてくる音は見かけ上音速が早くなるのだ。
そうすると、音速=周波数×波長の関係から、音速が大きくなって波長は一定なので周波数が大きくなる=音が高くなる、ということになるのだ。
逆に、離れていくときは音速が見かけ上遅くなるので、その逆で周波数が小さくなる=音が低くなる、となるよ。
そうすると、近づいてくるときは音が音が高くて、真横に来るとちょっと低くなって、遠ざかっていくと音が低くなっていく、というあの独特の聞こえ方になるのだ。

逆に、動いているものであれば、音の聞こえ方の違いでその動いている早さも求められるんだよね。
絶対音感のある人であれば、周波数がどれくらいずれたかわかるので、そこからその速度がわかるはずだよ。
この原理を使うのがドップラー・レーダーというやつで、通常のレーダーは電波で位置情報だけを観測するんだけど、ドップラー・レーダーはこの原理を使って市と移動速度の両方を観測するのだ。
ちなみに、ドップラー・レーダーは電波(光)のドップラー効果なので、音のドップラー効果ほど単純じゃないんだけどね。
(光の場合は、ドップラー効果いより、近づいてくるものは波長が短く、遠ざかるものは波長が長くなるので、その差から速度を計算するのだ。)

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