2009/12/05

冬を彩れ!

12月になるといよいよクリスマスまっしぐらのムード(?)だね。
今年は11年ぶりに表参道のイルミネーションが復活して話題になっているけど、都内でも各地でクリスマスイルミネーションの点灯式が行われているのだ。
この時期の名物だけど、きれいだよねぇ。
というわけで、今回はこのイルミネーションについて調べてみたのだ。

なんと、イルミネーションの起源は16世紀のドイツ。
宗教革命で有名なマルティン・ルターさんが考えたと言われているんだ。
森の中で見たきらめく星々に感動し、それを再現するために木の枝にロウソクをつるして飾ったのがはじまりらしいよ。
この装飾はクリスマスのお祝いに行われたらしいんだけど、もともとドイツには14世紀から大きな針葉樹に様々な飾り(オーナメント)をつるすクリスマスツリーの習慣もあって、そこからさらに発展したみたい。
初期のクリスマスツリーは日本の歳末市のようなクリスマスマーケットに飾られ、そのまわりで踊ったりしたらしいのだ(日本の盆踊りのイメージ?)。
それがさらにロウソクで彩られ、光の装飾へと進化していったというわけ。

イルミネーション(illuminatin)は動詞のilluminateから来ているわけだけど、このilluminateはラテン語の光をいう意味の単語のlumenというのが語原。
il-がついて動詞になって、「光で照らす」という意味になったんだ。
で、同様に光を当てるという意味の「enlight」という語と同じように「闇を照らす、暗がりに光をもたらす」ということから「啓蒙する」なんて意味が派生したんだよ。
イルミネーションももともとは「光で照らす」から「光で装飾する」というように意味が変わってきたんだけど、その由来がキリスト教の宗教行事であるクリスマスで、かつ、宗教革命を進めたルターさんが始めたっていうのは「啓蒙する」という方にもひっかかっていておもしろいのだ。
ちなみに、飾り文字のまわりに装飾することもilluminateというらいしよ。

日本ではすでに明治時代にイルミネーションが導入されていて、最初に文献に銀座の明治屋のものなんだとか。
でも、このときはクリスマスのものというよりは、文明開化の象徴としての西洋の光の文化であるガス灯の方に注目がいっていたんだろうけどね。
そういう経緯もあって、日本ではイルミネーションがクリスマスに直結するというイメージはうすいよね。
クリスマス以外でも光のアートとして観光名所でイルミネーションをしたりするし。
クリスマスツリーやクリスマスリースの電飾とは一線を画しているような気がするのだ。
日本ではお祭りの時に提灯を飾ったり、灯籠に火をつけたりと何かと光を装飾に使う文化があったから、そっちの面の方が早く受け入れられたのかも。

最初はイルミネーションも主に火を使ったものだったんだけど、暗いのと火事の危険があるのとで電球が発明されてからは麦球や豆電球が主流になってくるのだ。
そのまま使っても淡いオレンジ色であたたかみのある色だしね。
でも、どうしても電球だと熱を持ってしまうので、火事の危険は避けられないし、かなり電力も消費するんだよね。
そうすると、自ずと使用できる電飾の量も限られていたのだ。
そこで最近登場してきたのがLED(発光ダイオード)。
少ないエネルギーで明るい光が得られるし、しかも熱を発生しないので、火事の危険は漏電くらいしかないのだ。
技術の進歩で様々な色が出せるようになって、さらにイルミネーションも進化してきたのだ。
でも、もともと熱が出ないから冷たいし、青や白が多いから寒々しい感じがしてしまうこともあるけど・・・。

このイルミネーションもよいことばかりではなくて、イルミネーションの光が明るすぎて眠れない、とかいう害も出てくるわけ。
そういうのを光害(こうがい)というらしいよ。
星を見るには確かにじゃまだし、人だけでなくその他の生物にも影響を与えるところが問題なのだ。
幹線道路などの近くは明るいので夜でも鳥が飛んでいることがあるけど、そうやって鳥や虫などの生活のリズムにも影響を与えてしまって、生態系を崩す可能性があるのだ!
また、イルミネーションを見物に来る人のマナーも問題で、そもそも表参道で地域住民が反対していたのがゴミが翌朝ひどく散乱しているという理由もあるとのことなのだ。
そこはモラルの問題で解決可能だけど、生態系に与える影響はよく考えないといけない問題なのかもね。
確かにきれいなものだけど、技術が進歩して大がかりになってくるとこういう問題も出てきてしまうのだ。

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