2013/08/17

「南国」土佐はやはり南国だった!

今年の夏は恐ろしいほどの猛暑続き。
なんと、ついこの間更新されたばかりの日本最高気温がまたまた更新されたのだ。
ほぼお風呂の温度と同じ41度だよ!
最高気温が40度を越えた日も4日連続だったからたまらないよ・・・。
実際は蒸し風呂状態なんだろうね。

長らく日本の最高気温は山形市で観測された40.8度だったのだ。
これは戦前の昭和8年(1933年)の7月のデータ。
平成19年(2007年)8月に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9度が観測されるまで、チャンピオンだったわけ。
山形というと雪深いイメージだから、最高気温が山形で観測されたというのは意外性があって、よくクイズでも出題されていたっけ。
今度は高知県なので、暑いだろうなぁ、という気はするけど、それでも今までそこまで暑い印象はなかったので意外なのだ。
ところが、最高気温の順位なんかを見ていると、今回最高気温が観測された江川崎観測所っていうのは上位の常連さんだったんだよね。
ついにトップに躍り出た、ということなのだ。

山形市で最高気温が観測された理由として考えられているのは、主にフェーン現象なのだ。
海側から来る湿った風が山を越えて吹き下ろすと、暖かい、乾いた風になるんだよね。
これについては以前に調査したのだ。
で、山形市は盆地なので、その熱風が来た後にそこにたまってしまうので、必然的に気温が上がってしまうわけ。
山梨県の甲府や、京都や奈良の市街も盆地だけど、フェーン現象が起こらない分、そこまでの気温にはならいんだ。
(もともと盆地は山に囲まれた天然の要塞なので、古くから街が栄えるんだけど、暑いのが欠点なのだ!)

埼玉の熊谷もフェーン現象と盆地のコンボで猛暑になると考えられているんだ。
実は群馬の館林も地図で見ればわかるとおりすぐ近くなので、暑い理由は同じ。
東京湾方面から吹いてくる湿った南風が秩父の山にいったん遮られ、埼玉や群馬に吹き下ろすときには熱い乾いた風になっているというわけなのだ。
さらに、北西の三陸沖から吹いてくる風は赤城山で遮られ、フェーン現象であたためられた「からっ風」として吹き下ろしてくるのだ。
このあたりは熱風の交差点と言われているらしいよ。
長らく1位だった山形を抜いたのは、東京都心部のヒートアイランド現象で南方面から来る風がさらに熱くなったから、と考えられていて、人工的な要因がからんでいる可能性があるのだ。

で、今回の四万十市。
高知県というと海に近いイメージがあるし、市の名前のとおり、四万十川も流れていて涼やかな印象を与えるんだけど、地図で見るとわかるとおり、実は高知と愛媛の県境付近で四国でもかなりの内陸部。
しかも、山に囲まれている盆地なのだ!
というわけで、フェーン現象+盆地のコンボにより暑くなる地域のひとつというわけ。
これまではトップになるほどは暑くはならなかったんだけど、どうも今年は太平洋高気圧が上空まで強く張り出していて、このあたりに下向きの強い空気の流れがあって、どんどん熱が流れ込んだようなのだ。
しかも、いつもは瀬戸内海側から来る風によって多少熱が流されるんだけど、強い高気圧の張り出しで今年はそれもあまり吹かなかったので、ますます熱がたまったんだとか・・・。




というわけで、平年以上に熱が流れ込んでくる状態になったと同時に、その熱を冷ます作用も弱まったので、あたたまり続けた、というわけ。
もともとこのあたりは降雨量も少ないし、雨に冷やしてもらうこともかなわず。
熱がまったく逃げないので連日40度越えという状況にもなったのだ(ToT;)
あなおそろしや。
ここまで暑いと、35度になったくらいでも涼しく感じるんだろうなぁ。

そういう意味では、四万十市が日本最高気温を記録したのは今年の気圧の状況によるところが多いので、又来年も同じように暑いとは限らないのだ。
もちろん、もともと暑いところだから、日本一じゃなくても、日本で5本の指に入るくらいの暑さにはなるんだろうけどorz
果たしてこれが名誉なのかどうかはよくわからないけど、とにかく有名にはなったよね(笑)
高知県は鳥取、島根に次いで人口が少なく(世田谷区と同じくらい。)、坂本龍馬以外に全国に誇れるものがないのが悩みだったんだけど、これでかなり挽回できたよね?
熊谷や館林は「暑い」ことを地域興しにつなげているので、四万十市にもがんばってほしいのだ。

0 件のコメント: