2013/08/24

むぎゅ~

最近職場の冷蔵庫には麦茶が入っているのだ!
不断はコーヒーやお茶を飲むことが多いんだけど、やっぱり夏は麦茶だよね。
さっぱりすっきりでくせがない。
ウーロン茶とは違ってカフェインも入っていないので、妊婦さんや赤ちゃん、乳幼児も安心して飲めるのもよいよね。

そんな麦茶、最近ではまた徐々に復権してきているんだって。
どうしても昭和の飲み物、という印象だけど、なんだかんだでぐるっと回って見直され、評価されているようなのだ。
やっぱり一番大きいのはカフェインが入っていないこと。
カフェインは覚醒作用だけでなく、利尿作用もあるので、あんまりお茶やコーヒーを飲み過ぎるとトイレが近くなるんだよね・・・。
で、夏の水分補給を考えると、これはあんまりよくないことなのだ(>o<)
麦茶ならカフェインレスなので、水分補給にはばっちり♪というわけ。

さらに、研究も進んでいて、いろんな効用がわかってきているらしいよ。
どこまで本当に有効なのかはよくわからないけど(笑)
よく言われているのは、胃の粘膜を保護する作用、高い抗酸化作用(発がん物質を方挙したり、生活習慣病を予防したりする効果も期待できるとか)、血液さらさら作用(血液の粘度を下げ、流動性を上げる効果があるとか)、バクテリアの定着を予防する作用(特に、虫歯の原因菌として名高いミュータンス菌の菌膜生成を阻害して、虫歯予防にもなるんだとか)などなど。
そんなこんなで、むかしから愛され、飲まれてきたけど、地味にすごい飲み物だった!、と再び脚光を浴びつつあるのだ。

でも、ボクたちがイメージする、ひんやりと冷たい麦茶というのは戦後のもの。
冷蔵庫の普及で冷やして飲まれるようになっただけで、その前は温かい(或いはぬるい)飲み物として親しまれていたのだ。
これは今は温かい飲み物として親しまれているけど、むかしは冷たくして飲んでいた甘酒と対照的。
煎った麦を煎じて飲むようになったのは、緑茶が伝わるはるか以前の平安時代と言われているよ。
お茶がなかった時代からあったから、当然名称も「麦茶」ではなく「麦湯」だよ。
っていうか、戦後になってから「麦茶」という名前が定着したみたい。
実はつい最近の出来事なのだ。

室町時代までは主に貴族の飲み物で、戦国時代になると武将の間でも飲まれるようになったのだ。
江戸期に入ると、町中に麦湯を売る屋台が現れ、夏の夕方に屋台のそばで縁台に座りながら麦湯を飲んで涼む、という風物詩が生まれているみたい。
麦湯の専門店では、若い少女が麦湯だけを売っていて、水茶屋のように団子などの軽食は置いてなかったようなのだ。
簡易カフェだね。
麦湯は明治期までそういう形で親しまれていたんだけど、西洋からカフェ文化が入ってくると廃れてしまったみたい・・・。
でも、家庭で作る清涼飲料として飲まれ続けるのだ。

明治になると自宅で大麦を煎ったり、煎られた大麦を買ってきたりして麦湯を作ったんだって。
なんで麦湯にしたかというと、そこには上水の整備の問題が絡んでくるのだ。
当時はまだ井戸が一般的だし、一部で敷設されていた上水道も基本的には川や池から直接を水を引いてきたもの。
つまり、そこにある水は基本が「生水」なのだ。
したがって、飲料水にするために、湯冷ましにすることがスタンダードだったんだって。
で、どうせいったん沸かすなら、麦湯にして香ばしくしておいしく飲もう、ということになったみたい。
おいしい水がそのままごくごく飲める社会で普及しなかったわけだね!

戦後に冷蔵庫が普及してからは冷やして飲むのが一般的になったのは最初に書いたとおり。
で、夏場の定番の冷たい飲み物となったんだけど、他の例に漏れず、もっと勘弁に麦茶を飲みたい、という四級から、商品開発が進むのだ。
そうして出てきたのが、ティーバッグタイプの水出し麦茶。
むかしから水出しというのはあったようで、より香ばしくなるらしいんだけど、時間がかかるので通常は煮出していたのだ。
でも、それが面倒だ、ということで、水に入れておくだけで麦茶にしたい、とこの商品が生まれたわけ。
その後、すでにできている麦茶が缶やペットボトルに入れられて売られるようになり、ポーションタイプの水で薄めるようなものまで出てきたよ。

ただし、注意したいのは、こういう即席タイプの麦茶は、早く色を出せるように純粋な麦茶でないものがあるらしいのだ。
お茶の粉が混じったりしていて、タンニンやカフェインを含んでいるものあるので気をつけないといけないみたい。
特に、小さい子に飲ませるならよく調べてみないとね。
麦茶は実は家庭でもけっこう簡単にできて(だから明治期に家庭に普及したんだけど)、六条大麦をフライパンなどで2分ほどから煎りしてあら熱をとったものを沸かしたお湯に入れ、5~10分煮出したらできあがりなのだ。
そのまま麦を入れたままだと苦みなどの雑味が出るので、温かいうちにふきんなどでこして冷やせばいいみたい。
ティーバッグタイプは煎るのを省略できるのと、煮出した後に取り出しやすくするところが楽になっているのだ。
でも、夏休みに子供と一緒に作ったりしたらおもしろそうだよね。
煎る時間や煮出す時間を変えて色や香りを比べてみて、なんて夏休みの宿題にも使えそう。

0 件のコメント: