2014/09/27

コメの消費を上げるためにも米粉を食べよう

先日、はじめて「ケンミンの焼きビーフン」を食べてみたんだ。
肉、味付ビーフン、野菜を重ねて水を入れて蒸し焼きにするだけ。
意外と簡単にできて、なかなかのもの。
CMでは存在を知っていたけど、こういうものだったんだ、と感心したよ。
東南アジア料理として食べるビーフンとはやっぱり違って、和食としてアレンジされているんだね。

ビーフンはうるち米を材料とするライスヌードルの一つで、中国福建省当たりが発祥のもの。
ベトナム、タイ、インドネシア、シンガポールなどでもメジャーなものなのだ。
ライスヌードルはその名前のとおりお米を原料として麺類の総称で、ベトナムのフォーや生春巻きに使うライスペーパー、中国の点心で出てくる腸粉、タイ風焼きそばパッタイに使う平太麺のセンレックなどが含まれるよ。
もともと中国では、小麦を原料とした麺類を「麺」と呼んで、米を原料としたものを「粉」と呼んだんだって。
よって、「ビーフン(米粉)」はまんまの名前なんだよね。
ちなみに、ここで言う「麺類」というのは、イタリアのパスタの概念と同じで、必ずしも細長いひも状のものだけでなく、シート状のものなど様々な形状のものが含まれるよ。
餃子も春巻きも麺類。

中国やインドのような国土が広い国だと、国内でも気候条件が大きく違うので、地方によって主食となる穀物が違うのだ。
北部の寒冷な乾燥した地域では主に小麦が、南部の温暖で湿潤な地域では主に米が食べられるんだよね。
(更に土壌が貧困な場合はそばなんかになるよ。)
なので、インドカレーでも北部料理はナンを、南部料理はライスをつけるのだ。
中国も同様で、北部由来の北京料理だと小麦がメインだし、南部由来の福建料理だと米がメイン。
炒めビーフンも福建省から伝わっているのだ!

麺と粉の大きな違いはその作り方。
小麦麺の場合、多くは小麦粉と水を混ぜ、生地を練って麺にしていくんだよね。
このときに塩を入れることで、コシのもととなるタンパク質のグルテンが生成され、独特の硬さ・粘りが出てくるのだ。
小麦麺の弾力があって、ぷっつりと切れる食感はグルテンによるところが多いよ。
一方、米粉の場合は、水につけたまま米をひいて白濁液を作るところから始めるんだ。
これを濾過してデンプンを主成分とする生地を取り出し、ところてんのように細かい穴から湯の中に押し出して作るのがビーフン。
生春巻きに使うライスペーパーの場合は、白濁液をクレープのように布の上に丸く広げ、蒸し上げるんだよ。
フォーのような平麺は、白濁液を熱した鉄板の上に広げ、シート状に固まったものを切っているんだ。
いずれもその後によく乾燥させるところがみそ。
パスタのように長期保存ができるのだ。
粉を水と一緒に練るんじゃなくて、水と一緒に米を砕いて、形を整えてから乾燥させる、というのが一般的な製法だよ。
点心の腸分のように乾燥させずに「生」で食べる料理もあるようだけど。

この粉の場合、もっちりとした食感になるけど、これはデンプンの中のアミロペクチンによるもの。
小麦よりも米の方がアミロペクチンが多いので、もちもち感が出るのだ。
同じようにデンプンを抽出して作る春雨は、小麦よりもアミロペクチンが少ない豆を原料に使うので、つるっとした食感で、もちもち感はほとんどないんだよね。
同じ米で、うるち米から作る上新粉と餅米から作る白玉粉では性質が違うけど、ビーフン類の多くはインディカ種のうるち米から作るので、そこまでもちっぽくはならないみたい。
最近では、米由来のデンプンだけじゃなく、ジャガイモやタピオカ由来のデンプンを句会えたりもするようで、すでに「粉」でも亡くなりつつあるようなのだ。

米粉が注目されてきているのは、我が国のように米が余っていて米食を推進したいからではなく、グルテンフリーの食品の必要性が認められてきたから、
セリアック病という自己免疫疾患では、グルテンが標的となるので、小麦を使った料理が食べられないのだ・・・。
いわゆる小麦アレルギー。
でも、これってかなり痛い話で、純然とした和食なら麩を食べなければ済むようなものだけど、洋食とかでは相当つらいよね。
そこで脚光を浴びたのが米粉を使った食品。
米粉パンであったり、米粉を使った麺類なのだ。
日本では未だにライスヌードルにあたる米粉を使った麺類の総称がないけど、これは伝統的には小麦を食べなくてもなんとかなっていたからなんだろうね。
今は逆輸入の形でライスヌードルが注目され、逆にもうカタカナ語でよくなってしまったので、改めて漢語を作る必要がないのだ。

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