2014/11/15

三日、本か

前から不思議に思っていたんだけど、なぜとび職の人たちは太もも部分がだぶだぶになっている「ニッカポッカ」をはいているんだろう、というのが気になって調べてみたんだよね。
正直たいしてよくわからないんだけど(笑)、なんとなく見えてきたものはあるのだ。
少なくとも表面上は実用性は説明できそう。

今ではとび職の人たちなどのガテン系職人さんの作業服としておなじみになっているニッカポッカだけど、もともとはニッカボッカーズという、すそがくくられた膝下丈の半ズボンのことなのだ。
欧米では、ゴルフや乗馬、野球などのスポーツをする際に着用されるんだよね。
すそがじゃまにならないというのが一番のポイント。
多くの場合は長めの靴下(ストッキング)と合わせるんだよね。

すそがじゃまになる、という点では、帝国陸軍兵士がすねにゲートルを巻いていたのも同じ理由。
海外の将校の軍服のようにブーツの中にすそが入れられればこの問題はないんだけどね。
欧米ではすでにストッキングもあったので、巻くのにがかかるし、巻き方にこつがいるゲートルのようなものは使っていなかったのだ。
戦争時はこの差も大きくて、いったん休憩してゲートルを解いてしまうと、また巻直しに時間がかかるので、欧米の兵士に比べて初動が遅れたようなんだよね・・・。
終戦近くになると一般人が徴用されていたからゲートルを巻くなんてことには当然慣れていなくて、この影響はより大きくなっていたんじゃないかな?

日本の職人さんのはいているニッカポッカは、多くの場合地下足袋と合わせているよね。
足首まわりはすっきり、太もも部分はだぼだぼ、という感じなのだ。
江戸時代だと、職人の作業着のボトムスは股引が一般的だったようなので、足首まわりがすっきりしているのは共通。
袴じゃすそが広すぎるからね(笑)
かといって着流しじゃ動きづらいから、股引になるのだ。
ここからの相違点はだぼだぼ部分。
そこに何か意味があるかどうかということだよね。

一般に言われているのは、まずは足が上げやすくなるという効果。
ジーンズなんかは特にそうだけど、タイトに密着していると生地が引っかかって足の可動域は影響を受けるよね。
これは飛びの職人さんからすると大きなメリットかも。
でも、木綿の股引のようなものであれば、よほど汗をかいてぴたっと肌に張り付かない限りは可動域に影響が出るほどじゃないと思うけど。

で、次に出てくるのは目視しなくてもだぼだぼしている布の部分がまわりに触れることで幅感覚がつかめるという点。
高所で作業しているときにいちいち下も前も見ながら行動できないから、太もものだぶついているがまわりに引っかかるかどうかで、自分のまわりの環境がどうなっているかつかめるということなのだ。
また、釘などが飛び出ていても、だぶついている部分が引っかかればすぐにはけがをしないというのもあるみたい。
タイトなものだと、布がまわりに触れた時点ですでに幅的な余裕度はなくなっているし、釘などが飛び出ている場合はもうけがをしているよね・・・。

最後のは本当かな?、と思うけど、風の抵抗を受けやすくなるので、風の動きをより敏感に察知できるというのも。
強風が吹いたらそれだけ力を受けやすいから高所から落ちるリスクも高まるような気がしてならないんだけど。
もともと落ちるような風が強い日は高所には昇らないから、ちょっと風が強くなったかどうかを察知するのに役立つ、ということなのかな。
地平面と高所だと風の吹き方も違うから、高所で作業している人のニッカポッカが風でたわんでいたら、高所は風が強そうだ、というのはわかるけどね。

そんなこんなで実用性はありそうなんだけど、それだけじゃないような気がするんだよね。
それは、やんちゃな生徒が着用するボンタンとの類似性なのだ。
イメージ的にとび職になるような人はやんちゃだった確率が高いように思うんだけど、改良学生ズボンのボンタンとニッカポッカって似ているよね?
そういうのが多少なりとも影響しているんじゃないかなぁ、と思ってしまうのだ。
検証はできないんだけど。
ちなみに、ボンタンはなんでああいう形状なんだろうね?
ライオンのたてがみとかと同じで、自分を大きく見せようとしているのかな。

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