2014/11/22

冬の蝸牛

テレビを見ていて知ったんだけど、カタツムリって冬眠するんだね。
梅雨の高温多湿な時期にしか見かけないイメージだけど、かといって、1年のライフサイクルで生きているとも思えないので、なんだか納得。
そういえば、似たような生物のタニシも、冬の間は側溝や田んぼの縁にへばりついているのは見かけたことがあるから、同じようなものなのかもしれないね。
カタツムリの場合は、植物の陰とか、枯れ葉の下とか、多少湿気のあるところにかたまってじっとして過ごすんだそうだよ。
飼育する場合は土を引いてあげて、そこに隠れられるようなもの(例えば枯れ葉など)を置いておくと、その陰で冬眠するみたい。

秋のうちに食べられるだけ「食いだめ」して、体の代謝を極力下げるように寝て過ごすほ乳類の冬眠と違って、変温動物の冬眠は事実上体温が低下することによる活動の停止なのだ。
太陽光などの外的要因で活動に必要な熱を得る仕組みで、常に自分で活動に必要な熱を産生しているわけ出ないので、そうなる前にきちんと準備をしておかないと「座して死を待つ」のみになってしまうんだよね。
逆に、ほ乳類や鳥類のように恒温動物の場合は、体温を維持するために最低限の熱量の産生が必要となるため、基本はものを食べ続けないといけないのだ。
ワニや蛇は数ヶ月に一度食事をすればよいのだけど、ほ乳類はそうはいかないんだよね(>o<)
常に動ける代わりに燃費が悪いのだ。

カタツムリの場合は、外気温が下がってきて活動が鈍くなってくると、冬眠場所に移動しつつ、殻にこもって、その口のところに粘液で膜をはるようなのだ。
この粘液は、固まるとセロファンや障子紙のような半透明の質感になって、呼吸に必要な空気の出入りができるように細かな穴が空いているんだって。
一方で、乾燥を防ぐ必要もあるのだ。
こういうとき生物の作る膜とかって、自然淘汰の末にバランスのとれたものができているんだよねぇ。

カタツムリの殻って茶色くて、緑の葉っぱの上では目立つんだけど、冬眠中に土の上や、木の陰、枯れ葉の下にいるとこれがよい保護色になるのだ。
殻のいろってなかなか変化させづらいから、活動が鈍くなって一番危ないときに備えた色になっているんだね。
こういうところも感心するばかりだよ。
冬にカタツムリを見かけない理由は、目には入っているけど認識できていないっていう要素も大きいのかも。

そうなると、殻がないナメクジはどうなんだ?って気になるよね。
ナメクジの場合は、基本は冬眠という形で一カ所にじっとしていることはないみたい。
確かに、殻にこもることができないから、じっとしていると乾燥して死んでしまうのだ・・・。
で、どうしているかというと、あたたかい土の中にもぐっているんだって。
ただし、活動自体は低下しているので、ナメクジによる農業・園芸の被害は減少するのだ。
春先にあるとさっそく花芽をかじったりするらしいけど。

カタツムリ、ナメクジともに湿気が必要なので乾燥が苦手なんだけど、カタツムリの場合は、生存上もうひとつ重要な要素があるのだ。
それは、殻を作るためのカルシウムの摂取。
冬眠するにも殻は重要なので、カルシウム量が十分でないと生きていけないんだって。
人工飼育する場合は、卵の殻やコンクリート片など、カルシウム源を一緒に入れてあげないといけないのだ。
街中ではコンクリートからカルシウムを摂取するんだろうけど、もともとの野生のカタツムリの場合は石灰質の岩とかから摂取していたのかな?

積極的に見つけようとは思わないけど、枯れ葉の下とかを注意深く見てみると、冬眠中のカタツムリが見つかるかも。
でも、同じような場所にナメクジもいる可能性があるから、嫌いな人は注意しないとね(笑)
殻のあるなしくらいしか違いがないはずなんだけど、カタツムリはよくてもナメクジはダメっていうのはよくわることだから。
持ち手である殻がないというのは手に取る上では重要だけどね。

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