2015/03/07

仙人の食べ物?

春先と言えば、「春霞」。
朝方なんかもやっと景色がかすむよね。
これがサクラが咲いている時期だとまたきれいなのだ♪
都会ではあまりお目にかかれない現象だけど・・・。
むかしから、春の霞と秋の霧は風物詩だったみたい。

「霞」というのは、靄(もや)や霧で景色がかすむことを指すのだ。
靄や霧は大気中の水蒸気が冷却により凝結し、細かな水滴として浮遊している状態のことで、視界が1km未満になると霧、1~10kmだと靄と呼ぶそうだよ。
でも、10km先ってけっこう見えているよね(笑)
都会だと空気がきれいじゃないから、晴れて乾燥していたとしても、そこまで視界がよくないかもしれないorz
エアロゾルなどの微粒子によってかすんでしまうんだよね。

では、なぜ春に霞が出るのか。
これは対義的な秋の霧も同じなんだけど、昼夜の寒暖差が大きいときに発生しやすいんだ。
もちろん、もともと大気中に水蒸気がたっぷりあることが前提なんだけど。
で、実は春と秋ではちょっとまた状況が違うんだよね。
春の場合は、夕方に日が落ちてぐんと冷え込んできて、というのはあるけど、イメージ的にはむしろ朝靄だよね。
これは、冬から春にかけては天気がよく、空が晴れているので、日の出直前までに放射冷却で一気に冷え込むことが原因と考えられるのだ。
夕方に一度冷え、そこで凝結した水滴は、朝露・夜露として植物の表面なんかにつくんだよね。
さらに夜の間に放射冷却で冷えることで、靄とか霧になるのだ。

一方、秋の場合は、昼間にぐんぐん気温が上がって、しかも湿度も高くて蒸し蒸ししているのが、夕方になって涼しくなってくると、水蒸気が凝結して水滴に変わるのだ。
そもそも秋の頃はまだ湿度が高く、あんまり放射冷却の影響がないので、夜の冷え込みは春に比べて弱いのだ。
夕霧が秋の季語であるのも、秋の靄・霧は主に夕方に発生しやすいことを表しているんだ。
とは言え、秋の季語には朝霧というのもあるので、春は朝方、秋は夕方、と紋切り型ではないのだけど。
でも、夏から秋にかけてだと、主に夕霧になるんだけど、秋から冬にかけてだと朝霧になるんだよね。
ということは、春から夏にかけては夕方にかすむこともあるわけか。
夕靄という言葉もあるしね。

でも、春霞は必ずしも靄や霧だけが原因ではないんだよね。
中国大陸から飛来する黄砂もあるのだ。
黄砂は、中国大陸のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠の砂が砂嵐で上空まで巻き上げられ、偏西風に乗って東に運ばれるもの。
重い粒子から落下していくので、北京ではかなり大きな砂粒が、朝鮮半島では中程度の砂粒が落下し、日本まで届くのはものすごく細かな粒子になるんだよね。
4ミクロンというから、砂というよりは、乾燥した泥に近いみたい。
このくらいの大きさだと、エアロゾルとして大気中に分散し、それによって光が屈折されて視界がぼやけるのだ。

この黄砂が飛来する時期には季節性があって、春が一番多いんだよね。
冬の間は積雪に覆われることが多く、そもそも砂が巻き上がらないんだけど、春になると表土も乾燥し、発達した移動性低気圧により風も強くなって巻き上げられる量が増えるんだって。
夏にかけては植物も生えてくるし、雨も多少降るので巻き上げられる量が減るみたいなのだ。
なので、春が一番多くて、秋が一番少ないんだって。
最初に言ったように、「霞」というのはあくまでも視界がぼやけている状態なので、それが靄や霧によるものか、黄砂によるものかは関係ないんだよね。
なので、「春霞」と言った場合には、黄砂が原因のものも含まれているのだ。
でも、黄砂でかすむと言われると、一気に萎えるよね(笑)

0 件のコメント: