2015/04/25

ドローン、ぱ

衝撃的な出来事が起こったのだ!
首相官邸でいつの間にか入り込んだドローンが屋上で発見されたんだよね。
職員が朝見つけた、と報道されているけど、いつからそこにあったのかがよくわからない、ということ。
健康に影響のないレベルの放射性セシウムが搭載されていたようだけど、これってすごく危険だよね。
もっと危ないものを持って突っ込んできたらテロになるのだ。
まさにマスコミもその論調で、早急に規制の検討を、という流れになってきているよね。
首相官邸などのVIPがいる重要施設もそうだけど、発電所や変電所なんかに突っ込まれたら大規模停電が発生するおそれがあるし、「いつの間にか入り込まれる」というのはかなり危うい状況なのだ。

ここで言われている「ドローン」は主に小型の無人航空機のことで、多くの場合は複数の回転翼を持つラジコン航空機なんだよね。
もともとドローンという語は、ロボットのうち、特定の機能を持った移動型端末を指す言葉。
中央の制御の下で自動的に警備をするパトロール・ロボットなんかもドローンなんだよね。
映画のスターウォーズやアニメのサイコパスに出てくるのはむしろそっちに近いもの。
ただ、現実世界ではそういうのはまだあまりなくて、カメラや農薬散布機を搭載した、ちょっと大きめのラジコンヘリが「ドローン」として市販されているよ。

YouTubeなんかでも、ドローンを使って撮影した動画があるけど、鳥の視点で大きな川の水面上をなめるように飛ぶなどの迫力ある映像なんかはすごいよね。
米国なんかの大規模農業では、無人航空機を使って農薬散布をしていたりもして、実用になっているのだ。
でも、むしろ米国で開発が盛んなのは軍事用途なんだよね。
巡航ミサイルはそのまま無人航空機を特攻させるものだけど、そういう攻撃につかうものだけでなく、偵察目的のものが重要なのだ。
特に、小型・静音でできれば、いつの間にか偵察してくることが可能だからね。
今回もまさに、小型のものが気づかれぬまま侵入していた、という点が問題なのだ・・・。

そのため、何かドローンの利用について規制の枠組みが必要だろう、となっているわけ。
でも、実際にはいろんな分野でドローンの活用が期待されているので、業界では、やっていいこととやってはいけないことを明確化してもらうためにも、何か規制の枠組みを作ってもらった方が事業展開がしやすい、という声はあったみたい。
今回のような事案があると、むしろ監視を強化する、的なものとなるので、ドローンを使っていろんなビジネスを検討していた人たちからすると不幸なことになるかもね・・・。
がんじがらめでやりづらくなるおそれがあるのだ。

現状での規制はどうなっているかというと、基本は航空法。
ラジコンの場合は電波を使うので電波法もあるけど。
でも、航空法では、第二条第1項で「この法律において「航空機」とは、人が乗つて航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船その他政令で定める航空の用に供することができる機器をいう。」と定義していて、「人が乗るもの」が航空機とされているので、無人航空機はもとより対象外となっているのだ。
これは各国の航空法規や国際条約でもそうみたい。
ちなみん、飛行機、回転翼航空機(ヘリコプター)、滑空機(グライダー)及び飛行船のほかに政令で定められている航空機は現時点では存在していないのだ。

一方で、航空機の安全な航行を図る観点から、空域の利用規制というのもあって、ラジコンヘリを飛ばす行為はその中で規制されるのだ。
航空法第99条の2の第2項で「前項の空域以外の空域における航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為(物件の設置及び植栽を除く。)で国土交通省令で定めるものをしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に通報しなければならない。」と定めているものがそれ。
「前項の空域」というのは同条第1項で言及されている空域で、空港などの近郊の航空管制が行われている空域のことで、それ以外の一般空域での行為の規制になっているのだ。
法律で言う国土交通省令は航空法施行規則で、第209条の4で以下のように規定しているよ。

第二百九条の四 法第九十九条の二第二項の航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為で国土交通省令で定めるものは、次の各号に掲げる行為とする。
 一 ロケット、花火、ロックーンその他の物件を法第九十九条の二第二項 の空域のうち次に掲げる空域に打ちあげること。
  イ 進入表面、転移表面若しくは水平表面又は法第五十六条第一項 の規定により国土交通大臣が指定した延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域
  ロ 航空路内の地表又は水面から百五十メートル以上の高さの空域
  ハ 地表又は水面から二百五十メートル以上の高さの空域
 二 気球(玩具用のもの及びこれに類する構造のものを除く。)を前号の空域に放し、又は浮揚させること。
 三 模型航空機を第一号の空域で飛行させること。
 四 航空機の集団飛行を第一号の空域で行うこと。
 五 ハンググライダー又はパラグライダーの飛行を第一号イの空域で行うこと。
2 前項の行為を行おうとする者は、あらかじめ、前条第二項第一号、第三号及び第四号に掲げる事項を国土交通大臣に通報しなければならない。


ラジコンヘリは第1項第3号に該当するんだけど、基本的には地表又は水面から250mまでの空域なら通報などをせずとも飛ばすことができるということ。
今はドローンについても同じと解釈されているようなんだけど、これがもっと厳しい規制になる可能性があるんだよね・・・。
ビジネスとしてやるものについては事前に届出をして、とか、許可を取って、というのもあるのかもしれないけど、趣味でやるようなドローンでの空撮みたいなのは今後やりづらくなるのかも。
どうなることやら。

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