2017/04/01

煎れば煎るほど

フランスでカフェで言うと普通にエスプレッソが出てくるんだよね。
でも、日本で「フレンチロースト」と言えば深煎りのコーヒー。
なので、最初はフランス式のコーヒーはカフェオレなんかに合う深煎りのコーヒーだと思っていたのだ。
本当の最初の最初はそうだったのかもしれないけどね。
で、この「ロースト」の種類が気になったので、少し調べてみたのだ。

一般的には、ローストには8段階が設定されていて、浅煎りから深煎りにかけて、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンとなっているんだ。
イタリアンは通常エスプレッソに使う真っ黒になるくらいまで焙煎されたもの。
表面に油脂が浮き出てちょっと黒光りもしているのだ。
フレンチは深煎りで焦げ茶色。
浅煎りの方のシナモンは、名前の通りシナモンスティックのような淡い茶色だよ。
もともとコーヒーの生豆はピーナッツのような色で、焙煎度合いが進むと茶色が濃くなっていくんだよね。

コーヒー豆の焙煎が、外から熱をかけてあげてコーヒー豆の中に含まれている成分に熱的な化学変化を起こさせることなのだ。
そのまま火にかける直火や、熱風を当てる方法、遠赤外線を当てる方法などなど、いろんな方法があるよ。
だいたい200度くらいになるまで熱するのが普通で、焙煎の浅い・深いは熱をかけている時間の差なのだ。
もちろん、時間をかけて焙煎すれば中までしっかり熱が伝わるし、時間が短ければ表面近くだけが熱変化を起こすわけ。
焦げ臭くならないように均一に熱をかけるのがコツなんだよね。

熱をかけた後の変化としては、水分が少なくなるのは当然として、大きな変化は色がつくこと。
これは生豆に含まれている糖類やアミノ酸が化学反応を起こし、カラメル化、メイラード反応、ポリフェノールの生成などが起きて、いずれにしても、茶色の成分ができてくるわけ。
これがコーヒーの色の正体だよ。
このとき同時に、アロマ成分なんかでも出てくるのだ。
実は、生豆は少し甘みがあるんだけど、これは糖類があるためで、この糖類が化学変化をするので、焙煎度合いが高くなると甘みはなくなっていって、カラメルやポリフェノールの苦みに変わってくるのだ。
また、熱変化によって酸性の物質が最初は増えてくるので、焙煎するほど酸味が増してくるんだけど、その後徐々に酸味成分は減っていくようなのだ。
最初は甘みがなくなっていて酸味が増すので余計に酸っぱく感じるし、後半は酸性の物質が減っていって苦みも出てくるので、酸っぱく感じなくなるんだ。
なので、中程度の焙煎がもっと酸っぱいと感じるわけ。

さらに、カフェインは揮発性成分でもあるので、長い時間かけて焙煎すると飛んでしまうのだ。
なので、色は濃くて苦くても、フレンチやイタリアンなどの深煎りローストの豆はカフェインが少なめなんだ。
エスプレッソはカフェイン含有量が低いというのはそういう理由があるわけ。
特保でもおなじみにクロロゲン酸(糖吸収を抑制する効果があると言われている。)も、熱で加水分解してコーヒー酸とキナ酸というものに変わってしまうんだって。
ただし、分解するとかえって香りの強い成分になるので、深煎りの方が深アロマがあると言われているひとつの要因なのだ。

もちろん、もともとのコーヒー豆の種類で味はだいぶ異なるんだけど、焙煎の違いでも風味がかなり変化してくるのだ。
自分の好きなコーヒーの味がわかっていれば、どのあたりの焙煎度合いがちょうどいいかがわかるよね。
そういうのを気にしていれば、おいしいコーヒーに出会えるかも。

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