2017/04/15

おフランスのかほり

フランスでは香味野菜のエシャロットがよく使われるのだ。
炒めると独特のよい香りがするんだよね。
おろしてソースに加えることもあるみたい。
で、せっかくフランスにいるので、自分でも料理に使ってみようとスーパーで探したんだけど・・・。
いまいちよくわからない!
でも、これには理由があったのだ。

日本で「エシャロット」と言うと、居酒屋などで出てくる、味噌をつけてかりっとかじったりする値の部分が少し丸くなったネギを想像するよね。
なので、それっぽいものを探していたのだ。
でも、本物のエシャロットは、少しほっそりした小ぶりのタマネギといった形状。
てっきり「ペコロス」だと思っていたんだけど、これがエシャロットだったのだ。
タマネギと同じ茶色く固い皮に覆われていて、鱗茎は少し紫色になっているのだ。
ちょうど海外産のタマネギと同じような色で、まさにそれが小ぶりになった感じ。
炒めると、タマネギとニンニクの中間のような香りが出るんだって。

なぜボクが誤解していたのか。
それは、日本では、柔らかいうちに若摘みした「根らっきょう」が「エシャロット」と呼ばれることがあるから。
「根らっきょう」だと売れなさそうなので、「エシャロット」とおしゃれな名前をつけて売り出したのが始まり。
でも、フランスの香味野菜の「エシャロット」とまぎらわしいので、「エシャレット」と改められたらしいんだよね。
ところが、改名したのに似たような名前にしてしまったので、混乱が残ってしまったようなのだ。

フランスで言うエシャロットが日本の一般の市場にはほとんど出回らないこともあり、「エシャレット」が「エシャロット」として売られていることも多いんだよね・・・。
でも、最近になって、おしゃれな料理のレシピなんかに「エシャロット」が出てくるようになったので、エシャロットとエシャレットは違うもの、ということが様々な場面で言及されるようになったんだ。
農林水産省にはQ&Aページもあるよ。
ちなみに、まぎらわしいということで、フランスではただの「エシャロット」なのに、日本ではわざわざ「ベルギー・エシャロット」と呼ばれることもあるんだって。

もともとタマネギの仲間は中央アジアや中東の原産の植物で、エシャロットは十字軍が欧州に持ち帰ったものと考えられているんだ。
エシャロットの名前自体も、イスラエル南部のアシュケロンという都市の名前に由来しているんだって。
なので、フランス料理によく使われる食材ではあるんだけど、イランや南アジアでもよく食べられている野菜ということなのだ。
ケバブの付け合わせにされたり、インドネシアのチリソースの一種であるサンバルソースに使われるということだけど、やっぱりその香りを楽しむ野菜なんだね。
中国本土や台湾でも使われるみたいなんだけど、朝鮮半島を通って日本までは来なかったんだね。
仏教の影響で香りの強い野菜は敬遠されたからかな?
でも、中国原産のらっきょうは普通に伝わっているんだよね。
不思議。

現在日本で入手できるエシャロットはほとんど輸入物。
ベルギーやオランダからのものが多いみたい。
それで「ベルギー・エシャロット」なのかな?
もともとタマネギの中まで冷暗所に保存すれば長期保存が可能なので、通年で輸入が行われているようだよ。
ただし、まだまだ一般のスーパーで見かけることは少なくて、ちょっとおしゃれな高級スーパーに行かないと手に入らないことが多いけどね。
なので、やっぱりフランスにいるうちに食べておくべきなのだ(笑)

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