2017/04/29

あふれる鴨肉

フランスの名物の一つと言えばフォアグラ。
カフェでもビストロでもレストランでも、どこにでもあるんだよね。
もちろん、スーパーにも瓶詰めなどが売られているよ!
それだけフランス人に愛されているんだよね。
カモはもともと「渡り」の習性があるので、肝臓にエネルギーとして脂肪を蓄え、脂肪肝になりやすいんだって。
それに目をつけ、ローマ人がフォアグラを作り出したそうなのだ・・・。
さすがの食に対する飽くなき追求。
ローマ帝国崩壊後にいったん廃れるんだけど、ルネサンス以降に復活し、また広まったみたい。

で、当然、フォアグラをとった後にはカモの肉が残るわけで・・・。
このカモ肉は野生のカモ(ジビエのカモ)と比べると脂がのっているのだ。
そして、そのカモ肉がカフェやビストロでよく使われているもののようなのだ。
どうりでカモ料理が多いと思った!
鶏肉(poulet)に加えてカモ肉(canard)はたいていどこのお店にもあるからね。
フォアグラをこれだけ食べるなら、副産物(?)のカモ肉も流通するはずだ。

脂がのっているという性質を利用して生み出された料理がコンフィ。
水(湯)の代わりに脂で煮込む料理だよ。
このカモ肉は脂が多いので、ゆっくりと温めると脂が融けてきて、肉が黄色い脂につかるようになるのだ。
主に脚の肉が使われるよ。
煮込んだ後はゆっくりと固めると油脂がまとわりついた状態になって、保存・運搬が容易になるのだ。
フランスでは缶詰なども売っているよ。
温め直すときにゆっくりと熱を入れるんだけど、皮はぱりぱり、中の肉はほろほろという状態になるのだ。
ちょっと脂っこいので、たいていはフルーツなどの甘み・酸味のあるものを合わせるんだ。

胸肉(ささみ)の方は、伝統的には燻製にしたみたい。
燻製にしても脂がのっているのでぱさぱさしないんだよね。
でも、今ではソテーすることが多くなっているそうなのだ。
それがカフェやビストロにある「マグレ・ド・カナル」。
たいていはレアに焼いて、甘めのソースがかかっているよ。
脂がのっているので、ゆっくりと焼くと皮がぱりぱりにできるのだ。
胸肉とは言えまったくぱさぱさはしていないのが特徴だよ。
日本人にはちょっとくどいかもしれないけど。

日本でカモというと、真っ赤な肉に白い脂が縁取っている見た目で、それなりに脂がのっているとはいえ、肉々した淡泊めな味わいを想像しがち。
一方で、フランスで一般的に食べられる「canard」はむしろ脂がよくのった肉なので注意が必要なのだ。
全くの別物と思えば、おいしいものだと思うけどね。
逆に、フランスの鶏肉は多くの場合皮もはずされているし、ぱさぱさした感じもあるので、脂ののった鳥類の肉を食べたい場合はカモの方がよいかも。
カフェとかビストロのカモなら高くないしね。

ちなみに、日本でよく見かけるカモ肉はほとんどアヒルだそうだよ。
合鴨の場合は合鴨農法に使った後の合鴨。
合鴨は交雑種でそのまま自然界に放ってはいけないので、合鴨農法の後は食用にするんだって。
DASH村の合鴨はどうなったんだろう?

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