2017/09/02

カナブンはなに持ち?

夏休みが終わった・・・。
ま、社会人だから関係ないけど(笑)
でも、この季節になるとちょっとせつない気持ちになるよね。
やはり子ども時代にすり込まれた感情かな?
こんなときに思い返すのは、やはり自由研究。
ドリルなんかはどうにかなるけど、自由研究だけはどうしても時間がかかるもの。
自由研究の王道と言えば、適当に捕まえてきた昆虫をとりあえず標本にする昆虫採集だよね。

で、そんなときにあるニュースに目がとまったのだ!
日本のコガネムシが海外で外来種として農作物に深刻なダメージを与えていると。
ああ、あの緑のやつか、昆虫採集では雑魚だよな、と思ったんだけど・・・。
あれ?、コガネムシとカナブンってなんか違うんだっけ?、と気になりだしたのだ。
これが、当たり前のことなんだけど、調べてみると違うんだよね。

コガネムシは甲虫目コガネムシ科の昆虫で、カナブンは甲虫目コガネムシ科ハナムグリ亜科の昆虫。
種としては同じ経統だけど、けっこう離れているのだ。
見た目も似ているようだけど、コガネムシが玉虫と同じような緑を基調とした虹色に輝く金属光沢なのに対し、カナブンは地味な緑褐色の金属光沢。
どちらかというと、カナブンの方が黄色くて、黄金色に見えるんだって。
ボクは緑の方がカナブンとばかり思ってた!
形状も、カナブンが扁平で頭も角張っているのに対し、コガネムシは全体に丸みを帯びていて、頭の形状も丸いのだ。
というわけで、よく見れば写真でも十分に見分けがつくみたい。

実際に外で見たときに注目すべきは、飛ぶ姿。
コガネムシはカブトムシなんかと一緒で、固い前翅を広げて中にある透明な後翅を広げないと飛べないのだけど、カナブンは前翅を折りたたんだまま、隙間から後翅を広げて飛ぶことができるのだ。
なので、飛んでいるときに、固い羽が開いていたらコガネムシ、閉じていたらカナブンだよ。
一般にカナブンの方が飛行能力が高く、足場がないところからも離陸できるんだとか。

食性も大きく違って、コガネムシが葉を食べるのに対し、カナブンはカブトムシと同様に木の樹液を吸うのだ。
なので、カナブンは脚には鋭い爪がついていて引っかかるようになっているよ。
無理矢理木からはがそうとすると脚がとれるんじゃないかというくらいの強いグリップ力。
昆虫採集でカナブンが雑魚扱いされるのは、夜のうちに樹液に糖液などを塗っておいて早朝に見に行ったとき、カナブンもそこにいるからなのだ。
子どもだったら角があるカブトムシの方がいいよね(笑)
カナブンの幼虫についてはよくわかっていないらしいのだけど、カブトムシやクワガタ同様に腐植物を食べているみたい。

一方、葉を食べるコガネムシは、害虫なんだよね。
しかも、幼虫は根を食い荒らすらしいのだ。
幼虫でも成虫でも農作物にダメージを与えるというわけ。
コガネムシはそういう性質もあって、けっこう研究が進んでいるみたい。
駆除するのは大変みたいだけど。
たちが悪いのは、固くておいしくないらしく、あまり鳥も食べたがらないみたい。
特に、海外に渡った場合は天敵がおらず、すぐに繁殖するようなのだ!
家にブドウの木なんかがあるとよく葉や実を食い荒らしていく虫が来るけど、あれはカナブンではなく、コガネムシなのだ。

童謡では「コガネムシは金持ちだぁ♪」なんて歌われるし、カナブンは昆虫採集での雑魚という認識なので、むしろコガネムシにいいイメージを持っていたんだけど、悪い奴らだったんだね・・・。
むしろ、カナブンはなにも悪くなくて、フォルムがカブトムシやクワガタに比べてださい、というだけなのだ(笑)
これからは認識を改めて、カナブンを必要以上にさげすまないようにしないと!
カナブンは地味だけど、悪いやつじゃないのだ。

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