2017/09/23

何石器

この前、たまたま飲み会の席で、考古学の話題になったのだ。
確か、箸墓古墳が発掘調査できれば歴史の教科書が変わるとかなんとか、そんな話題。
ちょうど次の世界遺産候補として「百舌鳥・古市古墳群」が推薦されることになったしね。
あの中には、鍵穴型=前方後円墳の仁徳天皇陵が含まれているのだ!
でも、あそこが本当に仁徳天皇の陵墓かどうかは実は定かじゃなくて、大山(だいせん)古墳とか、伝・仁徳天皇陵とか呼ばれていたような・・・。

で、そんなこんなで歴史の話になったんだけど、やっぱり覚えていないものだよね。
そんなとき、ふと頭に思い浮かんだのが、「旧石器時代」というターム。
そこでどうしても気になったのが、「旧石器」と「新石器」って何が違うんだっけ?、ということ。
忘れないうちに調べてみたよ。

まず最初に、石器時代、青銅器時代、鉄器時代という区分はわかりやすいよね。
どんな素材の道具を使っていたかで分けているのだ。
でも、よくよく見てみると、石器の作り方には技術的な変遷があったのだ!
そこで出てきた概念が、「旧石器」と「新石器」だよ。
最初に19世紀に英国の考古学者が石器時代を二つに分けることを提唱し、ここに新旧の別が生まれたんだ。

旧石器とは、打製石器、すなわち、石を砕いて作られた石器で、黒曜石のような薄い板状に割れる性質の硬い石で作られたんだ。
この頃はまだ絶滅したような動物種がいた時代で、地質時代で言うと氷河時代の洪積世(更新世)のころだって。
約1万年前くらいまでだから、マンモスや巨大ナマケモノのメガテイルムがいた時代かな?
一方、新石器は、石を砕いた後にさらに磨きをかけることで鋭く、なめらかにした石器のこと。
よく博物館とかで見る黒曜石の石ナイフとか石鏃(やじり)なんかはこれだよ。
磨製石器が出ることはもう現生動物種の時代で、間氷期になった沖積世(完新世)。
ちなみに、現代も沖積世だよ。

この古典的な時代区分をもとに調べてみると、おおよそ新石器に移行するくらいのタイミングで農耕や牧畜が始まったことが確認されたんだって。
生活・文化的な区分としてもちょうどよくて、狩猟生活の旧石器時代、定住・農耕生活の新石器時代というように使われるようになったんだ。
ところが、こういうのは調べれば調べるほど例外が出てくるもの・・・。
日本でも縄文時代にすでに稲作が始まっていたことがわかったけど、旧石器時代の終わり頃に農業が始まっていたり、新石器時代になっても農業や畜産が始まっていなかったりというのが出てきたのだ。
そこで、過渡期としての「中石器時代」というのも提唱されているみたい。

旧石器時代は、人類(ヒト科)の種別でさらに前期・中期・後期に分けられていて、前期旧石器時代はホモ・エレクトスや北京原人、ジャワ原人が活躍(?)した時代。
現生人類のホモ・サピエンスやネアンデルタール人は出始めくらいだって。
火や言語の使用が始まった頃と考えられているよ。
ここで動物であるサルと人類が分かれるのだ。
中期石器時代は原人類が絶滅し始め、ネアンデルタール人が活躍した時代。
死者への畏敬の念が生まれ、埋葬が始まった頃と考えられているのだ。
時代的には氷河期の真っ最中で、動物・植物は少なく、かなり過酷な時代だったみたい。
後期石器時代は現生人類の時代。
ネアンデルタール人が絶滅し、ヒト科はホモ・サピエンスだけになるのだ。
衣服や装身具などが使われ始め、洞窟の壁画などが登場する頃だよ。
だいぶ複雑な思考ができるようになってきていて、呪術のような行為も発生が認められているみたい。
でもでも、こうしてみると、旧石器時代ってまだ原人とかの時代なんだね・・・。
それにびっくり。

後期石器時代を過ぎると、気候も穏やかになり、農業ができるようになるのだ。
それでさらに文化が発達するわけだね。
中石器時代が入ったり、入らなかったりするけど、新規石器時代は四大文明が出てきた時代でもあるよ。
土器も作られるようになるし、食糧生産能力も上がり、貯蔵や交易(物々交換)ができるようになるので、だんだんと社会が複雑化してくる頃なのだ。
集団の中でそれぞれの役割が出てきて、リーダー的な存在の人が治めるようになって、と社会が組織がされていくのだ。
でも、それったたかだか6~8千年前。
後期石器時代でも1万年以上前だから、その後はかなり加速度的に文明が発達していくことになるのだ・・・。

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