2017/11/04

オトナ用の白い粉

大人用の粉ミルクがはやっているんだそうだよ。
赤ちゃんの完全栄養食なので、きっと栄養満点で体にいいだろうと段階の世代で粉ミルクを摂取する人が増えてきて、そこに目をつけたメーカーが改めて大人用のものを発売し始めたみたい。
団塊の世代だと、ララ物資の苦い思い出があるので脱脂粉乳を嫌うんだけど、それ以降の世代だとそういうこともないみたい。
むしろ、赤ちゃんが飲んでも大丈夫なものだと安心と感じているらしいのだ。

ところが、乳幼児用の粉ミルクは、赤ちゃんにとっては完全栄養食になっているんだけど、大人に対しては必ずしもそうではないんだよね。
例えば、赤ちゃんはミルクしか飲まないので、乳脂肪分が多く、カロリーが高くなるようになっているのだ。
必要な栄養素も赤ちゃんと大人では違うので、そのまま飲めばいいってものじゃないみたい。
さらに、牛乳だとおなかがゆるくなるから、と粉ミルクにする人がいるみたいんだけど、乳幼児用粉ミルクには乳糖がたっぷりと入っているので、乳糖不耐症の人がそのまま飲むとやはりおなかがゆるくなるのだ・・・。

なので、現在市販されている大人用の粉ミルクは、成分調整がしてあって、ビタミンが多く入っていたり、高齢者向けにはカルシウムが多く入っていたりと、製品ごとに特徴があるみたい。
よく成分表示を見て、自分にとってはどれがいいかを選ぶ必要があるようだよ。
中には脂肪が多かったりするのもあるから、注意しないといけないんだよね。
とりあえず、乳幼児用をそのまま使うのはダメだというのは基本なんだけど。

そして、もっと一般的な注意点として、粉ミルクはできるだけ水道水を使うのがよいようなのだ!
というのも、水道水のミネラル分を踏まえて成分調整されているので、ミネラル・ウォーターをへたに使うとミネラル分が多すぎたりする可能性があるんだって!
特に欧州系の硬水には要注意だね。
そして、赤ちゃんにあげるときも、よく人肌に冷ますと言うけど、70度の高温のお湯で溶かす必要があるみたい。
一昔前は、もっと低い温度、40~60度で溶かすこととされていたようなんだけど、粉ミルクにどうしてもコンタミしてしまう雑菌が繁殖するおそれがあるので、雑菌が死滅する70度にして、それを冷ます必要があるのだとか。
世界保健機関(WHO)からもそう推奨されているんだそうだよ。
ほ乳瓶の殺菌も大事だけど、ミルクの調整温度にも気をつけないといけないのだ・・・。
ま、大人が使う場合はそこまで神経質にならなくても大丈夫かもしれないけどね。

もともと粉ミルクは、生乳のままでは保存性が低く、かつ、液体でかさばるので、保存性が高く、容易に移送できるもの、として発達してきたのだ。
ほ乳類であれば、どの動物も母乳で育つのが基本なので、栄養に富んでいるのは確かなんだよね。
でも、腐敗も早いので、古来より、バターやチーズ、乳酒などの各種加工品が作られてきたのだ。
その中でも、最も保存性が高く、移送が容易なのが粉ミルクだよ。
しかも、水分がほとんどないので、乾燥した状態であれば、雑菌の繁殖の可能性も低いのだ。
戦後日本にララ物資で脱脂粉乳が大量に持ち込まれたのも、運ぶのが容易で栄養が豊富だからなんだよ。

工業的には、殺菌、均一化(ホモジナイズ=乳脂肪の粒の大きさをそろえる)をしてから、濃縮し、その濃縮した乳を噴霧しながら乾燥させるのだ。
そうすると、パウダー状の顆粒ができるんだよ。
そのままだと水に溶けづらい場合があるので、ほんの少しだけ湿り気を与えて、乾燥直後の粉末を顆粒状にすることもあるのだ。
殺菌する前に乳脂肪を取り除いているのが脱脂粉乳。
濃縮・噴霧乾燥する前に、乳糖を除いたり、逆にビタミンやミネラルなどの栄養素を足したりして成分調整も行われるのだ。

つまり、この過程で赤ちゃん用と大人用がわかれるんだね。
でも、足すものが変わるだけだから、実は大人用粉ミルクの製造ラインを作るのはそんなに大変じゃないのかも。
だからこそいろんな会社が乗り出してきているのかもね。
少子化だし、次のターゲットは大人だ!

0 件のコメント: