2018/03/17

UME

パリもだんだんと春めいてきた。
この前は早咲きの桜を見かけたよ。
日本だと、まず梅が咲き、続いて桜が咲き、と春の近づきが実感できるのだけど、パリだとそれはさすがに難しいね・・・。
日本にいた頃は、馬が咲くともう温かくなるとわかるのでうれしかったものだけど。

で、この梅について、最近ネットで流れてきたネタを見てびっくり。
それは、白梅と紅梅の違い。
確かに花の色が違うのだけど、本質はそこではなかったのだ!
紅梅は、赤い色素であるアントシアニンを大量に作る品種で、そのために、そもそも枝の断面の色が違うのだ(>o<)/
桜伐るバカ梅伐らぬバカ、なんて言うけど、枝を剪定したときに、断面が赤っぽく色づいているのが紅梅、そうでないのは白梅なんだって。
花にだけ色素があるわけじゃなくて、樹木全体で色素が多いということのようなのだ。
なので、花が咲く前に紅梅か白梅かは区別できるんだって。

違いはそこだけではないんだよね。
一般に白梅は紅梅より香りが強いと言われるけど、これも事実。
いわゆる梅の香りの主成分は酢酸ベンジルという精油成分なんだけど、花王がかつて分析した結果によると、白梅の方が香り成分が多かったようなのだ!(ちなみに、その花王のプレスリリースの一次資料はすでにネット上では見られなくなっているよ・・・。)。
酢酸ベンジルは極めて単純な化合物だけど、ひょっとすると、色素のアントシアニンと生合成過程が重複しているのかな?
紅梅の場合は、より多くの材料が色素に使われてしまうので、香りは弱い代わりに色が濃い、となると合点がいくよね。

そして、梅干しなどに使う梅の実はほとんど白梅のもの。
紅梅由来の身は小さかったり、苦味があったりと食用には向かないんだそうだよ。
これも始めて知ったけど、確かに梅園によるある「白加賀」という梅の品種は、大きな白い花を咲かせるもので、江戸時代から広く栽培されているんだけど、大きな梅の実をつけるんだよね。
最近はもっと加工に向いた品種があるようだけど。
例えば、梅干しで有名な南高梅は果肉が厚いのに種が小さく、梅干しに向いた品種なのだ。
また、実がかたく、アルコールに漬け込んでも崩れにくいものが梅酒に向いているんだって。

一方、紅梅は花の色がきれいなので、観賞用でもあるんだけど、独特な赤みがかった木目の色は木材としても人気。
きめが細かく、磨くとつやも出るんだって。
なので、将棋の駒、そろばんのタマ、櫛、箱、ステッキなどに使われるそうだよ。
そこまで幹も太くはないから、大きな家具とかにはならないようだけど。

さすがに自分で枝を切って確かめるわけにはいかないけど、梅の場合はよく剪定をするので、その際に観察してみると面白いかもしれないね。
今度から気をつけるようにして見てみようっと。
会わせて梅の実のなり方の違いも比べてみると楽しいかも。

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