2018/03/23

アルミ玉

なんか、ネット上でアルミホイルを丸めて、丸めて、金属光沢のある玉にする、っていうのがはやっているみたいだね。
アルミホイルを丸め、ひたすらたたいて、つぶして、圧力をかけて密な球状のものにし、それを磨いていくんだって。
磨くのも、紙やすりで粗いもの、細かいものと順々にかけていくみたい。
最終的に液体研磨剤で磨くと、そこに輝く金属球、だけどアルミだから、かなり軽いものができあがるそうだよ。
ただし、ものすごく時間はかかるみたい・・・。

アルミは軽量で加工性も高いので日常生活でもよく見かける金属だよね。
この加工性が高いというのは、展延性が高い、ということなのだ。
展性というのは、引っ張る力に対してせん断されることなく伸びる性質。
針金状に延ばすことができるという性質だよ。
延性というのは圧力をかけたときに柔軟に変形する性質。
圧力をかけながら延ばしていくと、シート状にできるのだ。
アルミホイルのようにうす~く延ばせるのはこの性質のおかげ。

さらに、アルミは比較的軟らかく、曲げたりするのにもあまり力がいらないのだ。
そして、曲げても割れたり切れたりしないのだ。
このおかげで、アルミホイルやアルミカップが使えるし、アルミ缶に成型もできるわけ。
ただし、あまりにも軟らかすぎるので、通常はアルミの入った合金を使うようだよ。
1円玉は純アルミニウムだけどね。

でも、残念なのは、1円玉を見ればわかるように、すぐくもってしまうのだ・・・。
これはアルミニウムはイオン化傾向が大きく、空気中の酸素で酸化されてしまうから。
つまり、表面に酸化アルミニウムが形成されてしまうのだ。
ところが、これが被膜となるために、耐浸食性が高くなっているんだよね。
なので、アルミ缶の中に炭酸飲料も入れられるわけ。
しかも、薄くて熱伝導度も高いので、すぐに冷えるのだ!

ところが、酸性や塩基性の液体には弱いので、その場合には被膜だけじゃなく、表面にコーティングをしてあげることが必要なんだって。
また、あまりにも軟らかいので、中から内圧がかかっているような飲料に適しているのだ。
つまり炭酸飲料。
お茶とかがスチール缶を使うのはこのためだよ。
でも、何より缶自体が軽いし、飲んだ後は簡単につぶせて場所も取りづらいし、便利なところもたくさん。
だからこそアルミ缶は広く使われるのだ。。

ところが、ネットで話題になっているアルミホイルを固めて作った玉は、磨けば磨くほど表面がなめらかにはなるんだけど、やっぱりそこにはすぐに酸化アルミニウムの被膜ができてしまって、くもるはず・・・。
酸素に触れないようにしておかないと、長い時間かけた苦労が、ということになってしまうよ。
もし試してみようという人は気をつけないとね。

ちなみに、アルミホイルを固めていくためには、いきなり強く圧力をかけてもうまくいかないみたい。
まずは手で丸め、それを優しくたたいていって、ある程度固くなってから金槌とかでがんがん固めていく、という手法らしいよ。
そうしないとどうしても隙間が残ったりするんだって。
日本刀も何度もたたいて鋼を鍛えるけど、きっとそういうものだね。
最後に丹念に磨くのも同じだし(笑)

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