2018/09/22

養生せいや

お仕事でちょっとしたイベントのお手伝いをしたのだ。
そのときに、舞台設営の専門の人に聞いたんだけど、日本の養生テープは最高に品質がよく、かつ、安いらしいのだ。
確かに、フランスで売られている普通のビニールテープやセロハンテープは値段も高いし、粘着力が弱い割にはがれにくいし、跡が残る・・・。
3Mの製品でもそうなんだよね。
なぜだろう?
温度・湿度の違いがあるから、国・地域ごとに製品は異なりそうだけど、フランスだともともとの要求度が低い?

養生テープというと、緑色の半透明のテープを思い浮かべるよね。
引っ越しや建築の現場などでよくみかけるのだ。
特徴として、粘着力が弱くてはがれやすく、かつ、跡が残りにくい上に、手で簡単にテープが切れる(はさみやカッターがいらない)、というのが挙げられるよ。
これはこうした作業以外でも便利なので、工作の時の仮止めなんかにも便利なんだよね。
しかも、重ね貼りができるのだ!
これは実は重要で、布製のガムテープなんかは重ね貼りに向いていないんだよね(紙製のガムテープなら問題ないけど、めちゃくちゃはがしづらい・・・。)。
そこからはがれやすくなってしまうのだ。
なので、引っ越しの段ボールは、どのみちすぐに開けることになるし、重ね貼りもできるからと養生テープが使われるのだ。

ただし、ちょうどよい粘着力になっているのだけど、その粘着のもとである樹脂(のり)は熱に強くないらしく、高気温で放置されるとダメになってしまうんだって・・・。
はがれにくくなるし、跡も残るようになるみみたい。
ひょっとして、フランスは在庫管理が悪いだけ?
さっきの専門の人の話では、普通に放置している場合、一夏超えるとダメになるって。
時々側面がべっとりしているテープがあるけど、あれはそういうことだったのかも。

引っ越しや建築現場で使う場合には、目立つ色なのでマーカーの代わりにもなるんだよね。
いわゆる「バミる」というやつ。
目印にしておいて後で簡単にはがせるから便利なのだ。
目立つからはがし忘れも防げるという効果もあるのだ。


「養生」というのは、作業において傷や汚れから保護することをさしているんだけど、塗装しているときに塗料がはみ出さないように保護することも「養生」と呼ばれることがあるのだ。
このときに使われるのは主に「マスキングテープ」と呼ばれるけどね。
マスキングテープの場合は、下地を塗った後、別の塗料を重ねたくない部分に覆いをするのに使われるのだ。
なので、下の塗料をはがさない、というのも重要な要件になるよ。
もともと普通のテープで留めていたら下地まではがれてしまって、また塗り直しになるから、と粘着力の低いテープが発明された、ということみたいだけど。

というわけで、一般家庭でしょっちゅう使うものではないけど、非常に便利なものなのだ。
ただ、残念ながらフランスにはいいものがないみたい。
今回の専門家の人もテープは日本から全部持参したって言っているし。
日本が神経質なのかもしれないけど、きっとフランスではテープを貼った跡とかが残ってもさほど気にしないんだろうね。
塗装の時も養生テープを貼っているのにそれがずれててはみ出したりしているし(しかも、それがプロの仕事だったりする・・・。)。

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