2018/12/08

歳末市

先日、ストラスブールに行ってきたのだ。
ドイツとの国境に位置するこの街は、フランスとドイツの領有権争いの場だったんだよね。
名前からしてドイツ風だし、実際に多くの文化はドイツ系だけど、現在はフランスの都市。
で、このドイツ系の文化の中に、この時期に観光客をひきつけてやまないものがあるのだ!
それが年末の風物詩ともなっているクリスマス・マーケット。

ストラスブールは「クリスマスの首都(キャピタル・ドゥ・ノエル)」と名乗るほど、クリスマス・マーケットが有名なんだよね。
大聖堂前の広場だけでなく、街中のいろんなところでクリスマス・マーケットが出ていて、多くの観光客を集めているのだ。
旧市街善太がクリスマスの飾り付けをするので、その雰囲気もよいのだよね。
ドイツは普段質素だけどこういうときにはしっかりと派手にやるのだ(笑)

クリスマスマーケットは、クリスマスまでの間の「アドベント」の期間に広場などに市が並ぶもので、ドイツが発祥。
すでに中世の14世紀にはそのような市が立っていたというよ。
dokoが発祥かは諸説あるけど、ドレスデンやフランクフルト、ミュンヘンなんかの年では、14~15世紀にクリスマス・マーケットを開いていた記録があるみたい。

現在ではドイツ・オーストリア・スイスのドイツ文化圏御三家のみならず、フランスやベルギーにも広まっているのだ。
パリでも一昨年まではシャンゼリゼ通りに大きなクリスマス・マーケットが建っていたんだけど、昨年から中止。
今年はルーブル美術館の前のチュイルリー庭園でやっているよ。

クリスマス・マーケットでよく売られているのは、クリスマス・ツリーの飾り(オーナメント)やクリスマス・リース、クリスマスのお菓子(シュトーレン、パンデピス、ジンジャークッキーなど)。
でも、最も翌目にするのはホットワイン!
フランス語ではヴァン・ショー(vin chaud)、ドイツ語ではグリューワイン(Glühwein)だよ。
ちなみに、ホットワインは和製英語で通じないのだ。
英語ではマルド・ワイン(mulled wine)。
ワインと香辛料を一緒に温めて作るホットカクテルで、欧州のクリスマスの時期は冷え込むから、中からあたたまるこういう飲み物が人気なのだ。
さらに、観覧車やメリーゴーラウンド、アイススケートリンクなどのアトラクションも出るんだよね。
移動遊園地みたいなのができるよ。

欧州の冬は一般に天気が悪く、ただでさえ昼間が短いのに、空もくもっていて余計に暗いんだよね。
で、そのころに開催されるクリスマス・マーケットは華やかなライトアップがなされ、まさに幻想的な雰囲気。
ドイツの場合は現在観光資源としてクリスマス・マーケットを売り出しているんだよ。
もともと陰気なイメージがつきまとっているしね・・・。

アドベントは、クリスマスを祝うために断食をするもの。
クリスマス前までの約4週間をその準備に当てるんだけど、ところどころ断食をすることになっていたのだ。
でも、いつのまにか一年の締めくくりのお祭りになっているのだ。
もともとはクリスマスの準備をするための臨時の市だったんだろうけど、だんだんと娯楽食が強くなっていったんだろうね。
ホットワインでお酒も入るし(笑)

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