2019/11/23

名物にうまいものあります?

職場のお昼休み休憩中、NHKがついていることが多いのだ。
で、ちょうど「鱒寿司」を取り上げていたんだよね。
そういえば、高校生の頃に富山に行ったときにはじめて食べたっけ。
でも、あれって酢飯がぎゅうぎゅうにつまっているので、高校生だったのに、一つ完食できなかった・・・。
相当量が多いよね。

駅弁としては、「ますのすし」が有名。
まるいわっぱの中に笹の葉をしき、その上に塩漬けにしたしたマス(サクラマス)の並べ、酢飯をのせるのだ。
このあと、笹の葉をかぶせてからふたをして、重しをするんだよね。
いわゆる「押し寿司」のようになっているわけ。
駅弁として売られている場合は、たいていはわっぱの上下に竹をあて、ゴムやひもでぎゅうぎゅうにしめられた状態になっているよ。
これで密度が高くなっているのだ(>_<)

もともとは、神通川の流域で「鮭寿司」というのがあったようなのだ。
延喜式に紹介されているので、平安時代にはあったもの。
ただし、この頃の「寿司」は「なれ寿司」のことで、お米と魚を一緒に漬けて乳酸発酵させた保存食品のこと。
滋賀名物の「ふな寿司」のようなものだよ。
そのむかしは、乳酸発酵してどろどろの粥状になったお米を取り除き、魚の身の部分だけを食べたようなのだ。
でも、それだとお米がもったいないというので、室町時代くらいまで下ると、発酵期間を短くしてまだお米の形が残るくらいで取り出し、発酵させたお米ごと食べるようになったのだとか。

さらに時代が下って江戸時代になると、そもそも発酵させずに食べるようになるのだ。
それが「早寿司」というもの。
発酵させていないので酢でお米に酸味を漬けるのだ。
すなわち、酢飯を使うようになったんだよ。
でも、魚とお米を重ねて重しをして、という「なれ寿司」の製法は受け継がれたので、まずは「押し寿司」ができたのだ。
関西圏では今でも「押し寿司」がかなりメジャーだよね。
大阪のバッテラなんかはその典型。

そして、金沢には笹寿司なんてのもあるのだ。
笹の葉には殺菌作用があるのと、香りがあって臭みが消せるので、ちょうどよいんだよね。
その流れの中で、鱒寿司があるのだ。
今のような鱒寿司が生まれたのは8代吉宗公の時代の享保年間以降と考えられているよ。
もともとは神通川を遡上してきたサクラマスを使った郷土料理だったわけだけど、現在は遡上してくるサクラマスが減ったことと、駅弁などになって需要が増えたこともあって、外国産や北海道産のマスが使われているのだとか。
駅弁だと「さけのすし」というのもあるよね。
もうマスですらないのだ!

で、発酵食品で魚の保存法だった「なれ寿司」は「早寿司」に変わっていったわけだけど、江戸では、華屋与兵衛さんが「にぎり寿司」を考案するのだ。
すでに魚とお米を重ねて重しをすることもなく、酢飯だけ握って形を整えた上に魚介のネタをのせる、というものを考案したんだよ。
わさびを使ったのも最初だとか。
やはり殺菌作用と臭み消しに効果があるのだ。
当時はおにぎりくらいの大きさのもので、ネタも刺身ではなく、「ヅケ」や「〆たもの」だったみたい。
これは流通上の問題で、生鮮なままで持ち運びができなかったからだよ。
で、大きなにぎり寿司を二つに切って食べたので、今でも寿司屋では二貫がセットで出てくるそうなのだ。

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