2019/11/02

イクメン養成ギブス

政府が、男性公務員が原則1ヶ月以上の育児休暇をとることを促すべく検討を始めた、という報道が出たのだ。
人事評価にも反映させ、原則とらせるようにしたいらしいよ。
政府としては、ずっと男性の育休を広めるために旗を振り続けているけど、なかなか浸透しないんだよね。
データ(厚生労働省の「2018年度雇用均等基本調査(速報版)」)で見ると、平成8年度の育休取得率は女性が49.1%、男性が0.12%で、これが平成30年度になると、女性が82.2%、男性が6.16%。
女性は2倍弱、男性は5倍近くに伸びてはいるんだよね。
でも、実態上は男性で育休を取得している人は1割未満という状況なのだ。

メディアなんかでも「イクメン」とか言ってはやらそうとはしているよね。
で、実際に自称「イクメン」は増えているんだろうけど、本当にパートナーと家事・育児を分担している人は多くはなさそうなのだ。
その証拠の一つがこの育休取得率の低さだよね。
巷間言われているのは、自称の人たちは、「手伝っている」というベースで、あくまでもメインの家事・育児は奥さんということみたい。
ちょっとやっただけでアピールしている、と言われているのだ。
本当にやっている人だったらアピールしないだろうしね(笑)

というわけで、政府としては、男性の育休取得促進のためにまずは国家公務員から、という流れになったみたい。
こういうのはよくあって、完全週休二日制だとか、ノー残業デーだとか、クールビズだとか、朝活だとか、これまでも公務員を皮切りに社会に広げていこうとしてきているんだよね。
今回の育休の話も、働き方改革の目玉の一つにしたいはずなのだ。
実際に、共働き世帯が増えていて、男性の側も意識の高まりはあるし、実際に男性側の負担がなければ家庭の維持は成立しない世の中になってきているので、当たり前と言えば当たり前なんだけどね。

でも、こういう旗振りが必ずしもうまくいっているわけではないわけで。
いまいちなのは、ここ数年「笛吹けど踊らず」なのは、「プレミアムフライデー」だよね。
全く浸透していない!
茶化すために言葉自体は広まっているのだけど(笑)
なので、今回はけっこう本気で検討をしていりみたいだよね。
人事評価にも反映するとか言っているし。

でも、そもそも国家公務員の場合は労働基準法の適用範囲外で、特に中央省庁ではサービス残業が横行しているという話もあるのだ。
今般の「質問通告漏洩事件」と野党が騒いでいる問題の本質は、大型台風がまさに上陸しようとしているときに中央省庁の職員が質問通告を待って遅くまで残業を強いられた、ということだったはずなんだよね。
この手の話も、管理職のマネジメント強化とか言って人事院と内閣人事局がイニシアティブをとって取組はしているみたいだけど、あまり改善されていないみたい。
というわけで、人事評価に反映するとか言っても、それだけで本当に取得が促進されるかどうかはよくわからないのだ。

また、この問題には「パタハラ」という課題もあるんだよね。
男性が育休をとろうとしてもそれを邪魔する上司がいるということなのだ。
これも根深いよね。
世代間ギャップがあるので、「自分の頃は・・・」と言われても、そもそもの生活設計やライフスタイルが異なるわけで。
この手の社会的な理解が進まないとやはりだめなのだ。
そういうところからも、まず国家公務員の世界で成功例を作るというのは意義があるから、うまくいってくれるとよいのだけど。

0 件のコメント: