2020/10/24

焼きたて、ふわふわの、懐かしい味

コンビニで、「台湾カステラ」というカップデザートを見つけたのだ。
テレビで名前は聞いていたので、思わず購入。
いわゆる「カステラ」とは全く別物だね。
でも、なんだか「これがはやる」と言われながら、はやらないうちに消えてしまいそうな・・・。
というわけで、ここに「台湾カステラ」とはなんだったのか、まとめておこうと思うのだ。

どうも、日本には台湾から直接入ってきたわけではなくて、韓国ではやっているものとして入ってきたみたい。
韓国発のスイーツやジャンクフード系は、本当にはやっているのかどうかはよくわからないけど(笑)、メディアがよく取り上げるので、話題には上るよね。
どうもその一環。
鶏排(台湾式スパイシーフライドチキン)や豆花(デザート豆腐)とはちょっと違うみたい。
台湾の名を冠しながら、なんだか不思議だね。

でも、もの自体は台湾発のもの。
台湾には、戦前の日本統治時代に日本式のカステラが伝わっていて、いわゆる「長崎カステラ」に近いものもあるのだ。
それは「長崎蛋糕」と呼ばれているよ。
「蛋糕」がカステラとかケーキという意味みたい。
で、この台湾カステラは、「古早味蛋糕」と呼ばれる種類で、「古早味」は「むかし懐かしい味」ということで、シンプルな材料で作ったどこか懐かしい感じの味のもの、ということなんだって。
おそらく、日本から伝わったカステラが台湾で独自の発展を遂げて、家庭でも簡単に作れるような形になり、それが「なつかしい」といわれるくらいまでポピュラーになったんだと考えられるのだ。
韓国ではやった台湾カステラは、その後出てきた「現烤蛋糕」というもので、「現烤」は「焼きたて」という意味らしいよ。
つまり、店頭で焼きたてで、ふわふわ、ほかほかののカステラを売り出したものが取り入れられたみたい。

なんでこれが「むかし懐かしい味」かというと、それは材料のシンプルさにつきるのだ。
材料は、小麦粉、卵、砂糖、植物油、牛乳だけ。
しかも、砂糖はあまり入れずm、甘さは控えめなのだ。
実は、これはシフォンケーキとほぼ同じ材料なので、カステラと言うよりは、シフォンケーキやスポンジケーキに近いものなのだ。
長崎カステラの場合は、伝統的には牛乳は入れず、かつ、水飴を入れてしっとりとした、割と重めの食感にするんだよね。
台湾カステラの場合は、牛乳も入れるので生地も軽くなるし、よりふわふわっとした感じに仕上がるよ。
冷めてからも生地が柔らかく、ふるふるするんだって。

シフォンケーキとの違いは、焼き方。
シフォンケーキはそのままオーブンで焼くのだけど、台湾カステラは蒸し焼きにするため、「湯煎焼き」にするのだ。
水を張ったトレイに乗せて焼くことにより、表面はあまりかりっとせず、むしろ蒸しパンのようなふわっとした感じになるのだ。
台湾カステラはとにかく大きく作って、大きく切り分けるのが特徴。
長崎カステラほど生地が詰まっていないので、それでも食べられちゃうんだって。

で、そのままでは甘さは控えめで、むしろ、卵の風味がしっかり生きているんだとか。
なので、そのまま食べると「優しい味」なんだけど、チーズを入れたり、ハチミツをかけたり、クリームを挟んだりとアレンジもできるんだそうな。
さらに、できたてでも、冷やしてから食べても、温め直して食べてもいいんだって。
これが新しいスイーツとしてはやった要素なのかもしれないね。
アレンジによっていろんな人の好みに合うようになるのだ。

もともと長崎カステラはポルトガルから伝わった南蛮菓子が日本で独自の発展を遂げてできたものだけど、それが今度は台湾に渡ってさらに変貌を遂げ、韓国経由で日本に戻ってきたというのはおもしろい軌跡だよね。
ボクが食べたものは、冷やしてしっとりしたもので、何も書けていないやさしい味のものだったけど、がっつり甘いものが食べたいときには少し物足りない感じかな。
ま、自分で何か書けて食べてもいいのかもしれないけど。
すでにネットには台湾カステラのレシピもあふれているようで、かつ、犯しにしては比較的簡単に作れるようなので、買うものと言うよりは、自宅で作るものとしてはやっていくかもしれないね。

0 件のコメント: