2021/01/09

今年は恵方巻きを1日お早めに

 今年は、節分が2月3日でなく、2月2日になるのだ。
これは、立春が2月3日にずれるため。
ながらく立春は2月3日と思っていたけど、実際には前後1日ずつ変動する可能性があるんだよね。
で、ちょうどその変動の年に当たったわけだ。
明治30年(1897年)以来124年ぶりだって!

もともと節分は、立春・立夏・立秋・立冬の四立の前日のこと。
江戸時代くらいから主に立春の前の日を指すようになって、今に至るのだ。
もともと節分の豆まきの源流とも言える「追儺」は大晦日に行われる宮中行事だけど、旧暦の大晦日というと今の節分に時期的に近いこと、立春の当たりは季節の変わり目で疫病払いにちょうどいいことなどから、今の時期に変わったようなのだ。

で、この立春とうのは二十四節気の一つで、太陰暦だと日付と季節がどんどんずれていくので、それを解消するために古代中国で導入されたもの。
暦の方は月の満ち欠けで進行していくんだけど、二十四節気は態様の見かけ上の軌道である黄道上のどの位置にいるかで決められるので、太陽と地球の位置関係で生まれる式を表すのにちょうどよかったんだ。
4つの季節をさらに6つに分割して二十四節気。
有名なのは、春分・秋分、夏至・冬至、啓蟄、霜降とかだよね。
今でも天気予報でよく聞くのだ。

むかしは、平気法といって、1太陽年を単純に24等分して日付を定めていたんだけど、実際の地球の公転軌道は真円ではなく楕円なので、季節と日付に微妙なずれが出てくるのだ。
地球mの好転はケプラーの第二法則で言われるように、面積速度が一定(角運動量保存)なので、太陽との距離が短いところでは早く、長いところではゆっくりと動くのだ。
例えば、春分や秋分は昼と夜の長さが同じ日なわけだけど、平気法で定めると最大で2日ずれるんだって。
そこで出てきたのが定気法で、実際の太陽の黄道上の位置を観測して日付を決めるのだ。
今でも国立天文台が精密観測をしていて、毎年「暦要項」の中で日付を決めているのだ。
祝日法の中でも春分や秋分は具体的な日付が決まっていなくて、暦要項に基づいて日付が決まる特殊な祝日になっているよ。

で、実際の太陽と地球の位置関係で決めるわけだけど、それぞれの日付は、それぞれの対応の角度(360度を24等分するので15度ずつずれて設定)に到達する日付として二十四節気が決まるのだ。
春分点が0度に設定され、秋分点が180度だよ。
なので、正確には、春分も秋分もその日の昼の長さと夜の長さが完全に等しいわけではないのだ!
1年の中でもっとも差が少ない、くらいが正確な言い方だね。
ところが、ここで問題になるのが、地球の公転周期が1年(=365日)ではないと言うこと。
正確には、約365.2422日であること。
1年で約1/4日ずつ季節と暦がずれていくのだ・・・。
そこで4年に一度閏年を入れるのだけど、これだと4年で0.0312日(=約45分間)戻しすぎになるわけ。
なので、グレゴリオ暦では、西暦が100の倍数の年には閏年を入れないんだよね。
でもでも、これでもまだずれがあって、100年間で3.12日ずれるのに4日戻すと戻しすぎなので、西暦が400の倍数の年はまた閏年を入れるんだ。
なので、西暦2000年には珍しく2月29日があったのだ。

で、この暦と季節のずれは二十四節気にも影響していて、平年は1/4日、つまり約6時間ずつ後ろ倒しになっていくんだけど、4年に一度閏年になるとそれを戻した結果、約45分間戻しすぎになるのだ。
これで3年間遅れ続けて4年目に戻しすぎて、と変動をしていくんだよね。
さらに、100年に一度閏年のない年があって、そのときはもどさないで一気に遅れるのだ。
それで日付をまたいでしまうと、基準日から後ろに倒れた日になるわけ。
でもでも、400年に一度閏年が入るとそのまま前に倒れていくので、このとき日付を超えると、基準日から前倒しの日になるのだ。
今回のケースがそれ。
ちょうど400年に一度閏年の葉苛な合羅2000年のときからさらに45分間ずつの前倒しが続いて、日付をまたいだ格好なのだ。
このあたりの説明は、国立天文台のページにわかりやすく変動グラフとして説明されているよ。

実際には、太陽と地球だけでなく、近傍の惑星(金星や木星)の影響もあったりでさらに分単位のずれがあるから、単純に計算するのではなく、きちんと太陽の位置を観測して日付を決める必要があるそうだよ。
今は国立天文台がやっているけど、そのむかしは朝廷の陰陽委寮や幕府の天文方が観測して遍歴していたんだよね。
観測の精度は変わっているけど、やっていることは同じ。
暦と季節の巡航のずれを解消するために計算して日付を決めているのだ!

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