2021/02/27

お達者世代

 いよいよ高齢者へのコロナワクチン接種の目処が立ったみたいなのだ。
4月12日からを目指すんだって。
当初は年度明け早々と言っていたから、2週間くらいの遅れかな?
まだまだ課題はあるから、一般の人向けはまだまだ先だろうなぁ。
で、気になったのが「高齢者」の範囲。
なんとなく「お年寄り」だよね、とはわかるんだけど、実際誰が対象なのかよくわからない・・・。
というわけで調べてみたのだ。

おそらく、今回の「高齢者」は「高齢者の医療の確保に関する法律」における高齢者なのだ。
こちらだと65歳以上が対象ということになるよ。
今は定年が65歳になりつつあるから、現役を退いた世代、ということになるよね。
実は、国内では一番元気な世代でもあるのだ。
「老害」と言われてしまうような、迷惑をかける世代もいるよね(>_<)
世代間闘争をしてもあんまり意味がないのだけど、コロナ対策としては、高年齢の人の方がリスクが高くなるので、まずは高齢者から、というのは妥当なはずなのだ。

一方で、別の法律、つまり、高齢者等の雇用の安定等に関する法律の世界では55歳以上なんだよね。
法理乙の中では「省令で定める年齢以上の者」となっていて、この法律の施行規則である厚生労働省令で「55歳以上」と決まっているのだ。
その差、10歳。
これはけっこう大きいよね。
基本的にコロナ対策は医療の話なので、65歳以上なはずなのだ。
特に報道とかでは言及されないけど。

で、この65歳以上というのも、けっこう複雑な規定ぶりになっているんだ。
定義として「高齢者とは、65歳以上のものをいう」となっていれば簡単なんだけど、そうではないんだよね。
まず、「高齢者の医療の確保に関する法律」の中では、「高齢者」自体の定義はなく、はだかで使われているのだ。
これは一般名詞としての、いわゆる「高齢者」という使い方。
社会通念上の「高齢者」なんだよね。

では、どうなっているのか?
この法律ができたときに話題になったのだけど、この法律では「高齢者」を二層にわけていて、「前期高齢者」と「後期高齢者」がいるのだ。
「前期高齢者」については、各種健康保険の加入者のうち、「六十五歳に達する日の属する月の翌月(その日が月の初日であるときは、その日の属する月)以後である加入者であつて、七十五歳に達する日の属する月以前であるものその他厚生労働省令で定めるもの」となっているんだ。
「その他厚生労働省令で定めるもの」というのは、75歳以上で各種保険の緩急者となっている人を指すようなんだけど、おそらく、75歳の誕生日を迎えてこれまで感泣していた健康保険から後期高齢者医療制度に移行するまでの「ラグタイム」をなくすために入っているものだと思うのだ。
75歳の誕生日を迎えてから14日以内に所定の届出を地元の広域連合に出して資格認定を受けるんだけど、どうしても事務手続きに時間がかかるから。
実際には資格認定日は「さかのぼり」で誕生日当日とかにしているんだろうけど、資格認定前、例えば、誕生日翌日に何かあって保険関係の問題が生じると整理できなくなるからね。
ちなみに、この定義も、「前期高齢者」そのものを定義しているわけではなくて、「前期高齢者たる加入者」を定義しているのに注意が必要だよ。

「後期高齢者」はもっと複雑。
一般に75歳以上と言われるけど、法律上定義されているのは、「後期高齢者医療制度の対象範囲」のみ。
で、この対象は、75歳以上の高齢者と、65歳以上75歳未満の前期高齢者のうち政令で定める程度の障害を有していると認定された人。
つまり、75歳未満でもこの制度の対象になるのだ。
でも、一般には障害が認定されている前期高齢者のことは後期高齢者とは呼ばないのだ。
なので、75歳以上ということでよいんだけど、これも法律上明確な定義があるわけじゃなく、後期高齢者医療制度のメインの対象が75歳以上だから、名前に就いている後期高齢者は75歳以上のことだよね、という理解に基づくものなのだ。

というわけで、よくわかっているようで、実は複雑に定義されているのが「高齢者」というものなのだ。
ワクチンの優先接種については、65歳以上という仕切りでやるんだろうけどね。
それでも、接種開始見込み時期までに65歳になっているのか、すでに65歳以上の人しか対象にしないのかなどの線引きはいずれ必要なんだろうなぁ。
もう決まっているのかもしれないけど。

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