2021/05/22

濃いめは危険

 いよいよ梅雨入り。
むしむし、じめじめとうっとうしい季節だよね・・・。
そして、気温はそこまで高くないのに、とにかく不快。
汗が出ても蒸発していなくてべとべとするからね。
そして、この時期にリスクが高まるのが、熱中症や脱水症状。
真夏の方が危険な気がするけど、季節の変わり目の方がリスクが高いのだ。

というのも、はじめから猛暑の時はよくわかっているから対策もするのだ。
空調で室温を下げたり、こまめに水分補給したり。
ところが、暑くなりはじめのこの時期、まだ空調をつけるほどでもないな、でも蒸し暑いな、というこのタイミングは全く準備ができていないのだ!
とにかく蒸し暑くなるのでけっこう汗をかくんだけど、水分補給が十分でないことが多いのだ。
どうしても高齢者だとリスクは上がるみたいだから、気をつけないといけないんだよね。
汗をかいたなぁ、と思ったら水分の補給。
なんか気持ち悪いな、ちょっと暑いな、と思ったらすぐに空調をつけるべきなんだよ。

本人にその自覚がなくても脱水症状になっているかどうかわかりやすい指標とされているのが、おしっこの色なんだ。
これは厚生労働省が実施したコンクールでの応募作品のようなんだけど、よくできているのでいろんなところで加工されて使われているよ。
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/concour/2015/sakuhin5/n006.html
おしっこの色で脱水症状の危険度を「見える化」しているんだ。
薄い黄色は問題ないけど、これが濃くなってくると黄色信号、オレンジから茶色になってきたら赤信号、という具合。
応募したのは製造業の会社で、これを職場のトイレに貼っておいて注意喚起を促しているんだとか。

おしっこの色は主にビリルビンが代謝されてできてくるウロビリンの色。
ビリルビンも黄色で、これがうまく代謝・排出されないと黄疸になるのだ。
たまに栄養ドリンクを飲むとおしっこが異様に濃い色になるけど、これはビタミンB2(リボフラビン)の色だよ。
この場合は蛍光色の黄色なので、脱水症状でおしっこが濃くなっているのとは色が違うよ。
脱水症状の場合は色が濃くなっていくので、山吹色っぽい感じ。
リボフラビンの方はもっとケミカルな感じの色だよ。

で、自分がちょっと脱水症状を起こしているかもしれないと思ったら、まずは水分補給。
軽いものであればとりあえず水を飲めばいいんだけど、重度になってくるとそうはいかないのだ。
重度の脱水症状を起こしている場合、水だけを飲むと体の中で浸透圧が下がってショック症状に陥るのだ!
いわゆる低ナトリウム血症というやつ。
なので、塩分も一緒に摂取する必要があるし、できれば、もう少し浸透圧が高い=まわりの水分を引き寄せるようなものがよいんだ。
なので、よく汗をかく肉体労働の場合なんかは水分補給とともに塩分補給もするよね。
塩の入ったタブレットや飴が推奨されているのだ。
ぐったりしてしまったような脱水症状の場合は、OS-1に代表されるような経口補水液が使われるよ。
これは栄養点滴と同じような成分だけど、塩と糖が一緒に入っているのがミソなのだ。
小腸では、ナトリウムイオンとブドウ糖が吸収されるとき、一緒に水を取り込むんだよね。
これを利用して、ある程度の濃さで塩化ナトリウムとブドウ糖を含む経口補水液を飲むと、小腸で水分が吸収されるのだ。

基本的にはそこまで行かないように気をつけることが大事。
あまりのどが渇いていなくても汗をかいているようなときはこまめに水分補給。
現代の人は基本は塩分取り過ぎなんで普段は気にすることないけど、激しい運動や肉体労働をする場合には積極的に塩分もとった方がよいのだ。
で、トイレに行ったときに軽く脱水症状になっていないかどうかをチェックだよ。

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