2021/06/05

薄いと違法

 梅雨の時期になってよくスーパーで見かけるようになるのが梅の実。
ちょうど梅の実の季節に降る雨というのもあって、「つゆ」は「梅雨」と書くんだよね。
なので、ちょうどシーズンなので。
そして、その実のすぐそばには、ホワイトリカーと氷砂糖。
梅酒セットだね。
子どもの時は梅酒の梅の実が好きで、半分酔っ払いながら食べてものだよ(笑)

梅酒は自宅で作れるお酒だけど、作り方には気をつけないといけないんだよね。
現代日本では、酒税法によって酒類の製造には規制がかけられていて、許可を受けていない者が勝手にアルコールを醸造してはいけないのだ。
よく問題になるのは自家製どぶろくだけど、梅酒の場合もちょっと気をつけないといけないことがあるんだ。
それは、きちんとアルコール度数の高いお酒を使って漬け込むこと。
一般にはくせのないホワイトリカーが使われるけど、焼酎やブランデーでもいいんだって。
ただし、焼酎やブランデーにはもともとの風味・香りがあるので、梅と合わさったときのことを考えないといけないのだ。

なぜアルコール度数の高いお酒を使わなければいけないかというと、梅酒は梅の風味をお酒に溶け込ましたもの、という整理だから、
すなわち、すでにあるお酒に風味や香りを付け加えるだけなので例外的に家庭での製造が認められているのだ。
これはほかの果実酒も同じ。
問題は、発酵してアルコールが新たに醸造されてしまうことなんだよね。

有名なのは、NHKの今日の料理で照会された「みりん梅酒」で、もともと甘みのある本みりんに梅を漬け込むと、ほんのり甘い、梅の風味の梅酒ができるんだって。
ホワイトリカーなんかを使うとどうしてもアルコールの濃い梅酒になるので割ったりしないと飲みにくいけど、みりん梅酒はそこまでアルコール度数も高くないので飲みやすいというのだ。
確かに、酒税法ができる前、すなわち、家庭でのアルコール醸造が規制されていなかった時代には、清酒やみりんで作った梅酒もあったんだって。
ところが、こうしたアルコール度数が低いお酒(具体的には、20度未満)で梅酒を作ろうとすると、場合によっては漬け込んでいる間にアルコール発酵が起こってアルコール量が増えてしまうのだ!

これは、梅の実の表面とかにもアルコール発酵を行うような酵母が存在しているため。
通常、アルコール度数が20度を越えると自分で作り出したアルコールで酵母は死滅してしまってそれ以上発酵が進まなくなるんだよね。
なので、醸造酒は普通に発酵しただけではどうやっても20度を越える度数にはならないのだ。
逆に、20度未満だとまだ発酵の余地あり、ということで、たっぷりと原料の糖分もあるし、発酵が起こる可能性もあるんだよね。
そうすると、無意識的とは言え、アルコール醸造をしてしまったことになるのでアウトなのだ!

このため、先の今日の料理のときはあとでNHKが謝罪をしたそうだよ。
でも、みりん梅酒はおいしいらしく、今でもネットなどでは「作ってみた」系の話が出てくるよ・・・。
たぶん、違法醸造に当たる可能性が当たるとは気づかずに。
ちなみに、きちんと許可を取って業者が製造する分には問題ないので、みりん梅酒を製造・販売している会社もあるよ。
どうしても試してみたいなら、それで我慢するしかないね。

さらに、アルコール発酵が起こるのであればまだいいんだけど、通常はほかの雑菌の方が強いんだよね・・・。
そうすると、梅酒自体がダメになるのだ(>_<)
甘みが強いし、香りも強いから気づきにくいときもあるけど、危ないものが生成されている可能性もあるよ。
やっぱり素人が手を出してよい世界ではないのだ。
伊rにいる時間があると校区のを試してみたくなるけど、きちんとレシピを守って合法的に作らないとね!

0 件のコメント: